いかひこ塾「ゲーテ先生の音楽会について」

12月29日、第3回いかひこ塾のテーマは「ゲーテ先生の音楽会について」です。12月20日から3日間にわたって行われた、最新作『ゲーテ先生の音楽会 〜先生、どこの★から来たの?』の公演が幕を下ろしたばかり。今回は、その感想を交えながら、講義が進められました。

自分自身は演劇や映画をあまり観ないという井川さん。その理由のひとつに、「批評眼が育つ怖さ」があると言います。「やる」と「見る」ではえらい違いで、見るということ、受け止めるということばかりをしている人は、おのずと批評眼が育ってしまう。そうすると、自分では怖くて何も作れなくなるのではないか。数による絶対評価がなされる時代に、人々は自分が少数であることに耐えられなくなってきている。それでいて、「自分らしくありたい」と願う。『ゲーテ先生の音楽会』は、多くの人がぶつかるこの自己矛盾を表現しながら、批評眼と戦っているといいます。

「いい加減なところがいい」という感想もありましたが、「いい加減」に感じられることの理由は、井川さんが、人に仕事をつけているからだそうです。つまり、出演者にあてがきをしているということです。

「仕事に人をつける」か「人に仕事をつける」か―。マメヒコのクリスマスケーキは、上原さんしか作れない。マメヒコのクッキーも、ひとりのお客さんが一手に担っている。マメヒコは完全に人に仕事をつけている。ところがほとんどの会社は仕事に人をつける。これはサラリー、つまり月給を保障するため。世の中は安定性を求める一方で、「あなたらしく」という。これってすごく矛盾しているよね、というお話です。

完璧なものを観てもあまり印象に残らないのでは、と考える井川さん。『ゲーテ先生』も、下手だけどモチベーションが高いから印象に残る。これからは、「ノイジーでファジーでモチベーションの高いもの」がエンタメになる!といいます。

この反対は、「きちっとかちっとしていてモチベーションが低いもの」。YouTubeは前者、テレビは後者ともいえる。さらに、一度きちっとしてしまったものは、ファジーなものには戻れないのではという、「きっちりの可逆性・不可逆性」へと話は発展していきました。

そんな井川さんのお話を受けて、「二つのどちらかといったら、自分はこっちかな」といった、参加者による対話も繰り広げられました。でも、井川さんが言うには、どっちがいいという話ではなくて、どっちでもいいのだそうです。案外、「こっちしかない!」って決めつけてる人は苦しんでたりする。なに言われても、「そういうこともあるかもね」って言えるといいよ。そんな言葉で、講義は締めくくられました。

次回は、1月12日(日)です。

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井川啓央
Ikawa Yoshihiro

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