マメヒコの井川とクルミドコーヒー、
胡桃堂喫茶店
店主影山知明さんとの対談です。

(影山知明)
井川さんはぼくの人生を2008年~
あらぬ方向へと導いてくれた

張本人であります。

以来、井川さんとはよく会い、
よく話をしてきました。
一緒に話をした時間を集計するアプリでも
あったなら
ぼくの人生においては井川さんがダントツの1位。
その長さはもちろんですが
その中身の濃さ、気付きの多さ。
それは、井川さんが、自分とはまったく違う
タイプだからということも
大きく作用していると思います。
ゆえ、今の自分の大きな部分は
こうした井川さんとの関わりによって
できていると言って、過言ではありません。

マメクル2020 #13/ほんとうの出会い

40年以上渋谷で営業しているレストランの店主が知り合いにいます。
その彼が、

「ランチで並んでるお客を、ボクは順番に入れない。
常連は先に、新規は後回し。
それで文句言われても、うちはうち」って言ってました。

そういう考え方が大事だよなー、
さすが長くやってるとこは潔い、とボクは思いました。

そんなはなしをどこかでしたら、
こんな意見をボクに言ってくれるヒトがいました。

「常連をひいきするのは、身内びいきですよね?
それはあまりいい気がしません。
身内びいきされなかった人の気持ちを想像すると、
仲間はずれにされた時のいや~な気持ちがわかるからです。

もし自分がひいきされる側にいたとしても、
何かがまかり間違えば、
いつか自分が差別される側にまわるな~と思っちゃう怖さもあります。

これは、真の意味での「ひいき」をされたことがないからでしょうか??」

そう言ってくれたんですね。
はい、たしかに、その気持はよくわかります。

ボク自身は、身内びいきではないので、
身内をこれみよがしにえこひいきするヒトは嫌いです。

ただ、お店をやっているとですね。
やれること、やれないことがあるとしたら、
やれないことのほうが圧倒的に多いのが現実です。

では微力な自分たちは、なにを優先してやるのか。
いつも常に考えて取り組む必要があります。

やれることだけを、やるしかないのです。
たとえなんと言われようと、
やれないことまではやらない。
ボクがマメヒコで学んだ教訓のひとつです。

ボクが一番避けたい結論は、全部やろうとして、
結局、なにひとつやれなかった、なのです。

通常、ランチで並んでいるお客さんは、
並んだ順番にランチにありつけると思っている。

それは誰しもが理解できる、単純明快なルールですが、
それはけして万能ではない。

そもそも、人間とはかなり複雑です。
長くお店をやっていれば、店とお客との関係もそれぞれ複雑でしょう。

その複雑な人間の営みは、生きる上でとても魅力的ではないでしょうか。
運用しやすい単純なルールは万能で、
その単純さからはみ出る複雑な営みは、例外なく許してはいけない、
とするのは、とてもつまらないことだし、
むしろ乱暴だとボクは思います。

「ランチで並んでるお客を、ボクは順番に入れない。
常連は先に、新規は後回し。
それで文句言われても、うちはうち」と言ったレストランの店主も、
お客さんをこれみよがしにえこひいきするような、
乱暴なヒトではありません。

ともすると、運用しやすい単純なルールが万能だと思い間違ってはいけないのではないかと。

対談の中でも、ボクらカフェ店主は色んなお客さんと出会うけれど、
ほんとうの出会いは少ない、というような話をしています。

自分たちの両手が小さくなるときほど、
その両手に乗せるものは、慎重に選ぶようになるものです。

時代が変わろうとしてますが、
みなさんは選んだり、選ばれたりするのは苦手でしょうか?