イギリスの文化人類学者であるティム・インゴルドの著書『ラインズー線の文化史』という本のなかに、
「歩くこと、織ること、観察すること、歌うこと、物語ること、描くこと、書くこと。
これらに共通しているのは何か?
それは、こうしたすべてが何らかのラインに沿って進行するということである」とあります。

本は様々な考察が掲載されているので、読んでもらうとして。
目的地を決めない散歩、ボクらの遠足もその感覚を大事にしているのだけれど、
それはなぜかというはなし。

ボクたちの遠足の目的は、「輸送」ではありません。
「輸送」とは「出発地点と到着地点という点を直線で連結し、
荷物に変化を加えないよう横断させる行為」のことです。

それに対して、
「最終目的地が決まっておらず、歩みを進めるつど、そのまわりの世界を感じて、
それらと親密に関わりながら、通り抜けていく運動」のことだと書いてあるんですね。
そして後ろを振り返ると、直線ではない、寄り道で曲がりくねったライン、
足跡が刻みこまれているんだと。

あなたの人生は、波風なく、金品や物資をゆりかごから墓場まで運ぶための「輸送」ですか?
それとも、仲間を伴った「徒歩旅行」ですか?
そういうことを考えたことがありますか?

あなたの人生の後ろを振り返ったとき、それが直線であったら、寂しくないですか?
ぐちゃぐちゃしてるのを見て、ほくそ笑みたくないですか?
あなたの「ライン」を考えてみてください。

ちなみに新幹線の線路は、ほぼほぼ直線で作られています。