編曲家であり、中島みゆきさんのプロデューサーでもある瀬尾一三さんが、
井川さんとの他愛のない話しのなかで、
普段どのように音楽とかかわっているのかをお話しています。
瀬尾さんは、「音楽を使い捨てられるものにしたくない」、
という思いで長年やってこられました。
けれど、その音楽観、仕事観、そして生き様を、
ほとんどお話になって来られませんでした。
それは、なんとなくそういうことを口にしてしまうことで、
なにか本質的なものから離れてしまうような気がしたからです。
けれど、このラジオは、ほんとに他愛のない、ゆるーーいはなしばかりですから、
その中で、さすがの瀬尾さんも油断して、
時折、キラリと光る良いことを仰ってしまうのです。
そんな瀬尾さんの話しがラジオになっています。

瀬尾一三プロフィール

1947年9月30日生。
兵庫県出身、音楽プロデューサー、編曲家、作曲家。
1969年フォークグループ「愚」として活動。1973年ソロシンガーとしてアルバム『獏』をリリース。同年に今作品収録曲『落陽』が録音された「LIVE’73」を吉田拓郎と共同プロデュース。
その後、中島みゆきをはじめ、吉田拓郎、長渕 剛、德永英明 他、今作品に収録された日本のポップス、ロックシーンの黎明期から現在まで燦然と光輝くアーティスト達の作品の編曲アレンジやプロデュースを手掛け、中島みゆきに於いてはコンサート、『夜会』、『夜会工場』の音楽プロデュースも努めている。

SEO vol.163 中島みゆき「Nobody Is Right」

コロナの影響で中止になってしまった中島みゆきさんのラストツアー「結果オーライ」。
これは、コロナが瀬尾さんに「やめちゃだめ」と言っているのかもしれません。
「これで終わりではない。まだまだやれよ」と言われているように瀬尾さん自身感じているようです。

そして、今回お聴きいただく曲は中島みゆきさんの「Nobody is Right」。
ご紹介したお便りに、昨今の社会の様子を見るとこの曲を思い出すと書かれていました。
すぐに誰かを批判したり、叩いたりといった風潮は、根底に不安があるように思えます。
でも、その行動は不安をもっと煽ることになります。
自分が正しいと思い込み、悪い方にばかり目が行くというのは、とても悪循環です。
「他罰の快楽は自滅。他人を罰するのは自分を罰することになのに。社会が破滅すれば、自分も助からないのに。」
瀬尾さんはそんな思いで、今の世の中を憂慮しているようです。

「Nobody is Right」は、ゴスペル調のコーラスが特徴的なアレンジです。
力強く、明るい曲調が、歌詞の辛辣さをより際立たせています。
そして、ゴスペル音楽の歴史的な背景も、この曲のメッセージの一部なのかもしれません。
瀬尾さんは今回も多くを語りません。
ぜひ、お聴きになった方それぞれが、曲の中から何かを感じ取ってください。