あなたは壁を壊せますか。

渋谷のオープン日を9/1としました。

とはいえ、まだまだ解決しなければならない問題が山積みで、
ほんとに9/1に船出できるか分からないのがほんとのところ。

連日現場に行っているのだけれど、
今の状況はやっと全体の壁ができて、店らしくなってきてというところ。
けど。けどね。

実際書いた図面が、
できていくということは、あーしまった!というところが
いっぱい見つかるということでもあるの。

平面図では分からなかったしまった!がいっぱい出てきたわけで。

入り口から左奥に向かって、
まっすぐ7メートルの無垢の豆の木のテーブルが、
今回の渋谷店の目玉のひとつ。
けれど、そのテーブルを挟む厨房と一段上がった客席の壁の
間隔がなんとなく狭い。

今回の渋谷の場所は大きな太いコンクリートの柱が2本あって、
その柱をいかに生かすかというところに苦心したの。
柱と柱のあいだに一文字に長いテーブルを配置することで、
空間を広くシャープに見せようと思ったのだけれど、
その計画があだとなって、どうにも、店内がせまくなっている。

まだテーブルはきてないから。
けど、ほこりっぽい現場で想像力を働かせてみる。

満席の店内。

入り口近くに座った老婆がトイレへ。

「ウシロ、スイマセン、アラ、スイマセン」
7メートルのテーブルの後ろをカニ歩きする老婆。
スタッフも「シツレイシマシタ」とかいいながら、水とかこぼしまくってる。
『ナンナノコレ、ナンナノコレ、狭スギル』

これは致命的な欠陥です。
・厨房を壊す。
・テーブルを細くする。
・客席の壁を奥に引っ込める。
・狭いけど無視する、の4択。

客席の壁は、鉄で作った特注の枠が乗っかっていて、
そのために芯が頑丈に作られてるの。
大工さんが1週間かけて作ったその壁を壊して
作り直せというのは大変な手間です。

そして、その乗っかってる特注の鉄枠も、
一緒に寸法を変えて作り直さなくちゃいけない。

「あの、壊せますか・・・」

「工期が伸びてもよくて、資金がさらにさらにかかってもよいのなら、
直せといわれれば直せますけど。さてどうしますか」
直せるなら直さなきゃね。
壊せるなら壊さなきゃね。

9/1に船出できるかまだまだ分からない。

壁を壊すということは、自分の壁を壊さなくてはならないということ。

問われているのはボクなのだ。

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