小さな木の実

 小さな手のひらに ひとつ
 古ぼけた木の実 にぎりしめ
 小さなあしあとが ひとつ草原の中を 駆けてゆく

すっかり秋ですね。
もう夜になると寒いくらいで。
春に始めたことが、夏をこえ、秋になってあした。

ひとつの終わりを迎えます。

10月1日に西国分寺の駅前に、クルミドコーヒーをオープンさせます。
あと、あした、あさってですね。

今ぼくはあけてもくれても西国分寺にいます。
すっかり西国分寺くわしくなっちゃった。

ニシコクでお昼は中華とカレーくらいしかないことや、
トイレならいずみホールがきれいでいいよねとか、
マインのネオンがずっと切れっぱなしだけど取り換える気もなさそうだなとか。

KURUMED COFFEE。クルミドコーヒー。
店はクルミドコーヒーとクルミドケーキだけの純喫茶店です。

マメヒコともね。全然違う。違わないとこもいっぱいあるけど。

クルミドコーヒーとは今回のために研究に研究を重ねて作ったオリジナルの水出し珈琲のことです。
クルミドコーヒーは水出し珈琲の専門店なんです。

店内の珈琲はすべて10時間かけて一滴ずつ一滴ずつ抽出する。
アイス珈琲もホット珈琲もカフェオレもです。

店はクルミの木にあるほこらのつもりで作っているから、
珈琲はさながら樹液なんですね。

クルミケーキは、クルミをはじめとした、ピーナッツ、カシューナッツ、
アーモンド。
いろんな木の実を国産の小麦に混ぜ込んだケーキに
おいしいアイスクリームを挟んで食べます。

地味ですが、滋味で素朴でおいしいケーキです。

オニクルミ カシクルミ ヒメクルミ。
軽井沢でとれたクルミがテーブルにおいてあって自分で勝手に殻を割って食べる。
まぁそういう店です。

ランチもないし、お酒もないし、いわゆるカフェだと思うとがっかりです。
なんじゃこりゃとまゆをひそめる人もいると思います。
でも、それでいいと思って作ったんです。

でも子供は喜ぶと思います。
牛乳も低温殺菌だし、ジュースも紅茶も珈琲も、全部、自分の子供に飲ませたいものにしました。

子供をだしにして子供を取り込めば親もついて儲かりますという店にしたくない。

子供が一人で来て、駅前だし、「ママの帰りをここで待ってるの。クルミだから寂しくないの」っていう店にしたいんですね。
子供が騒ぐママ軍団を、「静かにして、声大きいよ。恥ずかしいよ」とたしなめる店にしたいんですね。
子供たちが大きくなって「初めて珈琲を飲んだのはクルミドだった」っていう店にしたいんですね。
ものはいっぱいあるけどなんだか寂しくて悲しくなっちゃう時代だから、子供たちに喫茶店ができることはないかと思って作ったんです。

大人を癒すものはもうたくさんあるから今更いんじゃないですか。

 坊や 強く生きるんだ
 広いこの世界 お前のもの
 ことしまた 秋がくると
 木の実はささやく パパの言葉

あと二日でオープンです。

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