ぬるいか、ぬるくないか 

(写真はハタケマメヒコの遠足で、豆を手作業で脱穀してる様子)

今日は定休日なのですが、ボクに休みはありませぬの。
ラジオをとって、ポスターを作って、回覧板を書いて、
あしたの食事の買い出しと仕込みをして、夜はゲーテのゲネプロです。

さて昨日のカレーは、

10/16 29p

昼に24p出て、夜は5p。

雨が降っていたとはいえねー。夜が渋すぎる。
夜の渋谷のマメヒコは、だめだねー。

まぁそれでも、グラフ的に見れば、
カレーそのものは着実に階段は登っている感じ。

大人の階段上る君はまだシンデレラさ、な感じ。

高い出数で横ばいになるまでは手抜かりなく、
責任もってやります。

(写真はハタケマメヒコの遠足で、豆を手作業で脱穀してる様子)

さてさて。

昨日はお客さんから、

「あの、このカレー。ちょっとぬるいんですけど、
こんなもんですか」

と言われてしまいました。

すぐに謝って、作り直しましたが、
この「ぬるいか、ぬるくないか問題」はカフエ マメヒコ、
いや飲食店をやっていれば必ずおこる大問題です。

提供する商品を適正な温度帯に保つことこそが、
食べ物を仕事として扱う男たちの、
果てしなき使命であり、あくなき戦いといった感じ。
(女でもいんですけど、まぁこういうのに燃えるのは男たち)

ボクらマメヒコで、
お客さんに「ぬるいんですけど」って指摘された場合の原因。

・まず作り手がグズ。そもそも手がのろい。そういうのを使ってるやつの問題もある。
・次にホールがグズ。そもそもお客さんを見ていない。お席外しで持ってって、戻ってくるとか。
・そもそもキッチンの設備や導線に根本的な問題がある。経営者がキッチンが使いづらいことを知らない。

古い話で恐縮ですが、
マメヒコの深煎り珈琲は陶器のポットでお出していたことがありました。
なんでやめちゃったかっていうと、
ポットで出すと、必ず、「ぬるいわね、この珈琲」とお叱りを受けるから。

寒い季節になったので、
ここんとこみなさん温かさに対しては敏感です
ボクはマメヒコの誰よりも手が速く、かつ作業がきれいなのですが、
(誰も言わないので自分で言います)
それでも、今回カレーがぬるいと指摘されたのには訳があります。

カレーを始めた当初は、ルーを常に温めた状態で、
お客さんが来るのを待っていました。
これのメリットは、

・常に温めてあるので、提供までの時間が短い。かつ熱々の状態で出しやすい。

こと。デメリットは、

・高温で食品を保つので、味が変質する、腐敗の恐れがある。ゆえに廃棄ロスも大きい。

というところです。
最初のころ、毎日大量にカレーを捨てていたのはそのせいです。

いまはルーも副菜も完全に冷蔵庫で冷やしてスタンバイしています。
ご飯だけは保温しておくしかないけど、それでも客を見て、大量に残りそうなら、
早めに冷やしてしまって、直前に蒸すことで加温し、そのまま提供しています。

早めに冷やしてしまわないと、味が変質します。

(写真はハタケマメヒコの遠足で、豆を手で植えて芽が出そろったところ)

冷たい状態でスタンバイしつつ、ここのところ急に寒くなって、
暖房もついておらず、お皿も冷たくなり、
総合的に、少しぬるいとお感じになられたのかもしれません。
ご飯の加温が不十分だったということもあり得ます。

この問題を技術的に改善しようと、
厨房機器メーカーや食品メーカーが知恵を絞った結果、
いまのようなナショナルチェーン全盛の時代ができました。

ただ難しいことは、こと食べ物についていうと、
技術革新に対してみんな保守的であるということ。

馬が車に変わったならば、もう馬には乗りません。
黒電話が携帯に変わったならば、町から黒電話は消えてしまいます。

けれど、こと食べ物については、

21世紀、人工知能の時代にこそ、手作りの味噌汁が飲みたい。
同じく、いまこそ天日干しのお米が食べたい、
少々いびつでもヒトの手のぬくもりが感じられるものを食べたい。

となってる。

ここのところボクがあちこちでしゃべっている、
システムはヒトを幸せにしない、ということに通ずるのです。

この話しは長くなるので、本音の会に来るとか、ラジオでも聞いてくださいまし。

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(写真はハタケマメヒコの遠足で、かぼちゃを手で収穫して乾燥させているところ)

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