今週の井川さんのはなし ~25分ごろ

今週は、自分の良いところだけを出すについて。情報が簡単に手に入る時代になった代わりに、訳知り顔になって、まだ始める前から絶望したり、諦めたりしすることが多いのはつまらないですね。また情報を鵜呑みにして人間に対して端から絶望してるのもつまらない。人間なんてくだらないものですが、良いところがあるのも人間ですね。ところが、そういう清い自分を振る舞おうとすると、そんなの、嘘っぱちだ、とばかりに自主規制してしまってはいけません。
負も正もあるのが人間ですが、あえて負なんてさらけ出すことはないんじゃないでしょうか、というはなしです。

今週のお便り~35分ごろ

今週のテーマは「あなたと私の秘密」。それぞれに良いお便りでしたが、今週採用されたのは四通。イカハゲネーム イカっ子さんのお便りは先の話に通じます。

イカハゲネーム:さとみ

「おばあちゃんには絶対言わないでよ」
母は少し笑いながら言いました。知りませんでした。
母が若い頃にバイクに乗っていたなんて。
誤解なきように書いておきますが、暴走族とか、レディースとか、そっち系ではなくて、
あくまで硬派なライダーだったそうです。

ホンダのCBX250(シービーエックス250)にまたがり、山へ海へ、
颯爽と駆け抜けていたんだそうです。

「こんなの知ったらおばあちゃん卒倒しちゃうわね」

ここで話題にのぼった、私の母の母にあたる人というのが、度が過ぎる程の心配性なんです。
例えば、学校のプールの授業。
危ないという理由と母の身体が少し弱いという理由で、
小学校から高校まで一回もやらせてもらえなかったそうです。
そんなわけで、バイクに乗っていたなんて知ったら卒倒して寝込んでしまうことでしょう。

当時実家に住んでいた母、もちろん自分の家にはバイクを置けません。
なので近くに車庫を借りてそこに置いていたそうです。
車検や税金のお知らせのハガキなんかも、自分の家に届かないように工夫していたそうです。
したたかなもんです。

「こっそりやる時っていうのは慎重になるものよ」

母はニヤりとしながら言いました。

親子の間柄、隠しごとはないほうがいいっていうのが正論だけど、
まあ正論だけじゃやってらんないわよね、というお話です。

イカハゲネーム:キコ

大学生のころ私は、家庭教師のバイト代のほとんどを旅行のために使っていました。
学生最後の春休みは、ほとんど日本にいなかったような気がします。

ずっと行きたかったネパールに、行ったときのこと。

すでに数カ国まわっていた春休み、かなり疲れも溜まっていて、
トレッキングのスタート地点となる町まで移動する日の朝に体調を崩しました。
動かない身体を引きずりつつ、ニアーニアーといわれる山小屋までなんとか歩き、
体も冷えてたので勧められるがまま五右衛門風呂に入れてもらったら、湯当たりしました。

絶望的にキツくて、せっかく地元の人がごはんを作ってくれていたのに、
もうその場に行くこともできず、目も開かない状態でベッドに突っ伏していました。

夜中に、何度も目が覚めました。
でも、目が覚めたのかどうか、確認ができません。
真の闇というのは、目を開けてもつぶってみても、違いがわからないのです。
何度も目を開け、闇を確認してはまたつむり、ただ朝の光が射すことだけを待ちました。

そしてやってきたその瞬間、眠りから覚め、視線の先で最初に目が合ったのは、ヒマラヤでした。

山って、あるんじゃなくて、いるんです。

アンナプルナ連峰のとんがりは、雪の濃淡と形の繊細さが際立ち、
朝日が直接当たってる面だけは雪の白が、少しピンクがかって見えました。
本当に、息をするのを忘れます。
音がないのも、印象的でした。

目覚めた瞬間、それが目の前にいて、
なんだかもうずっと見られてたのかと思ったらちょっと恥ずかしくなるくらいの気分でした。

イカハゲネーム:ぽこ山ぽん太

46歳で私のおばあちゃんになってしまった祖母は、
映画女優のように美人で、女子校時代、
祖母を慕う後輩から先輩までたくさんの恋文をもらうような人でした。

天然パーマもプロがセットしたかのような自然なウェーブで、
いつも綺麗にお化粧して、お洒落にもこだわりがありました。
極めつけは、孫達に「おばあちゃん」とは呼ばせず「ママ」と呼ばせていました。

小学四年の夏休み。
そんな元祖美魔女な祖母の秘密を知ってしまいました。

祖母の家に泊まっていた夏休みの朝。
いつもより早く目が覚めてしまった私は、顔を洗うために洗面所へ。

そこには口を大きく開けた祖母が!
声も出ず見ていたら、入れ歯をパコッと装着したのです!
あのママが!まるで普通のおばあちゃんみたいに入れ歯をしていたのです!

びっくりして間抜けな顔した私に気づいた祖母は、
一瞬、不機嫌そうに眉間にシワがよりました。
すぐに笑顔を作った祖母は、笑顔だけど、ドスの効いた低い声で「内緒だからね」と言いました。
なんだか魔女に呪いをかけられたような気分でした。
明け方に見る夢は悪夢が多いと言うけれど、ゾクっと怖かったのを覚えています。

2年前にその祖母が死んで、思い出話をしていたら、
娘達にも入れ歯を隠していたらしく、
祖母が病気をするまで、目撃したのも知っていたのも私だけ。
入れ歯は、お洒落で美人な祖母の大きな大きな秘密だったのです。

あなたと私、祖母と私のたったひとつの秘密でした。

イカハゲネーム:イカっ子

お腹が痛いから摩って欲しいと、
息子が真夜中に訴えてきました。
今はもう22才になる息子が14才の時のことです。
それは大変と思って布団に横になっている息子の側に行き、
お腹をさすって様子を見ていると、
そのうち息子はシクシクと泣き出しました。


「そんなに痛いなら病院へ行こうか」と言うと、

息子は首を振って、自分の身の上に起きている事を話し始めました。

息子はいじめとは言いませんでしたが、親として胸が痛む内容ばかり。

家では明るく振る舞い、何事もなかったかのように学校に行けてたことを
偉いとさえ思ったぐらいです。

息子が信頼していた先生に相談したところ、
「それはからかわれているだけだよ」と。先生は思い込みだよと言ったそうです。

「こんな時は人気のある先生ほど頼りにならないと思ったよ。」と息子は言いました。

大人としてとても突き刺さる言葉だと思いました。

ところが息子は恨みがましく言うのではなく、
「最近イライラをぶつけてしまってごめんね」と謝りました。

そして、
「あいつらを殴ってやろうかと思ったけど、
そんなことに力を使うのは勿体ないと思ってやめたんだ。」と言いました。

自分の置かれた状況を冷静に判断して、握った拳を自ら納めた息子に打たれた私は、

「その強さがあれば、大丈夫。必ずその力が活かされる時が来るから。」

と伝えて、どうか息子の頑張りが報われる日が来ますようにと願い、お腹をさすり続けました。

息子は安心したのか、聞いてくれてありがとうと眠りにつきましたが、
私自身もかつては誰にも相談出来なかった胸の内を持て余していた10代の頃を思い出していました。

今、私はこうやって息子の悩みを聴くという形で、
かつての自分が癒されているのだと感じると共に、息子によって、10代の頃、
自分がいつかなろうと誓った親にしてもらっているのだと思わずにはいられませんでした。

私が慰められてるのに、お礼まで言われてしまったねと。

なのでこのエピソードは私と息子との対話でもあり、
かつて少女だった頃の私との、胸の内でなされた対話でもあるのです。

梅田くんとのはなし~50分ごろ

梅田くんが、マメヒコと関わってもう何年にもなります。このお店いいな、と思ったのは、メニューに書いてあった井川さんの言葉、「洗濯代行します」でした。

あんたのお名前なんてーの?~55分ごろ

https://www.facebook.com/groups/IKAHAGE.radio/ で集まったお名前の由来をご紹介しています。

亮摩

■名前の由来

由来は全くわからず、、
親戚が大阪で商売をしていて、とある占い師さんを贔屓にしていたとかで、ぼくを含めた姉妹はみなその占い師さんに名前をつけてもらっています。坂本龍馬のファンとかそんなことは全くないようです、、、。

余談ですが、実家の裏山は高見山という小高い丘で、同じ集落に高見さんが30件以上おられます。そんなわけで屋号で呼びあうこともあり、うちは昔、藍染を生業にしていたので紺屋(こうや)と呼ばれています。

利美

■名前の由来

出雲大社(大阪分祠)にて名付けてもらいました。電話などで漢字を説明するときは利益の利に美しい、外国人に説明するときにはcleverとbeautyでToshimi、と言っています。高校の時、利光という苗字の男の子がいて、好きでもなんでもなかったのですが、この人とは結婚できないなあと思いました(笑)

健太

■名前の由来

「健やかに太く(逞しく?)」育って欲しいということでこの名前です。一時期、人気ランキング的なやつで連続トップだった名前なので、同性同名がたっっっくさんいます(笑)兄が「太郎」というので、ウチは基本的に命名に関してはヒネらない方針のようです。おかげさまで、名は体を表し、健康に育ってますが、最近は太り過ぎなのが悩みです。。

藍子

■名前の由来

青は藍より出でて藍より青し
という言葉を母親が好きだったみたいです。

美香

■名前の由来

学校の授業で、親からの手紙を受け取るっていうのがありました。そこには、自分の名前の由来が書かれていました。

名前の由来を知るっていう授業があったのです…!

写真は、そのときにお母さんが私宛に書いてくれたお手紙です。
(久々に掘り起こし、何年振りかに読み、懐かしさに浸っています~)

この手紙をきっかけに、その日家に帰って
自分の名前がどうやって決まったかを詳しく親に聞いた気がします。

画数やそれぞれの漢字の持つ意味を見て考えた、いくつかの名前の候補を出して、
最後は男の子だったときのための名前2つ、女の子だったときのための名前2つにそれぞれ絞り、
あとは生まれてから顔を見て決めよう!となったそうです。
生まれた私が女の子で顔が「美香」っぽかったから、
晴れて(?)「美香」が選ばれました。

イカハゲ先生 ~57分ごろ

イカハゲネーム :さよちゃん(7歳)

えらい人の本をたくさん読むように言われたので、初めて火を起こした人がすごいと思って、本を探したけど、見つかりませんでした。 火を最初に起こしたのは、いつ、どこの国のだれなのか、イカハゲ先生が知ってたら教えてください。

井川さんの一枚

坂道の向こうに沈む夕焼け空です。夕焼けは沈む太陽そのものよりも、乱反射する雲、空、そして秋の乾いた空気が美しい。軽自動車や自動販売機ですらノスタルジックに美しくしてしまう魔法です。

【お知らせ】

テーマのお便りを募集しています。
また毎週月曜深夜生放送用のなんてことない雑談や井川さんへの質問や、

お便りは、投稿フォームから受け付けておりますが、
マメヒコに行った際に便箋にしたためて、
お店のポストに投函するのもまた良しです。

募集中のお便りテーマ

・「あぁ、想い出の淡水魚」※11/3(土)〆切
うなぎ、なまず、こい、あゆ、ふな、ます等の思い出について。食用でも観賞用でも可。

【随時募集】

  • 「ちょっと聞いてよ、井川さん」(テーマ自由で何でもOK)
  • 自己紹介代わりに聞かせてほしい「あんたのお名前なんてーの?」
  • チビッコからの疑問質問なんでも答えちゃう「教えて!イカハゲ先生!」

ホームページからだけでなく、
マメヒコ店舗でもお便り投函できますので、どしどしお便りお寄せください!