今週の井川さんのはなし ~33分ごろ

今週も、エトワール・ヨシノ特集。エトワール・ヨシノは井川さんが演じる女性シャンソン歌手です。ゲーテ先生の音楽会の登場人物として始まったエトワール・ヨシノですが、間もなく銀座でソロリサイタルをします。エトワール・ヨシノの歌のリハーサルを紹介します。
井川さんは、なぜエトワール・ヨシノを演じるのでしょうかという問いを再び。 井川さんは頼まれたことを日々の生業にするのではなく、自分で決めたことを生業にしたいと思っています。 それはそのほうが、生きている実感を持つからだそうです。 生きている実感というのは、きついことも含めて、とても多幸感があるんだそうです。

今週のお便り~53分ごろ

今週のテーマは「あなたの周りのおせっかいさん」。「おせっかい」ではなく、「おせっかいさん」と呼びたくなる、困っちゃうけど許しちゃう、ついつい助けられちゃう、いつのまにか頼っちゃう、など、愛すべき「おせっかいさん」エピソードです。

イカハゲネーム :イカっ子

私はお節介をするより、
明らかにされる方です。
振り返るといつも親切なお節介さんが周りにいて、今は最高のお節介さんが側にいます。

そのお節介さんは痒いところに手が届くだけでなく、私の行動を急かすのです。
それもとても良い方向に。

10歳年下の彼女とは10年前に通っていたヨガスタジオで出会いました。
彼女は受付にいたスタッフさんでした。
ヨガに興味を持ち始めた私は、そのヨガスタジオのワークショップを1番に申し込んだはいいものの、
当時まだ小学生の娘を旦那に預けるつもりが、旦那の急な出張で無理となり断りました。
すると彼女は娘を受付で預かるから大丈夫、ワークショップは安心して受けてきてと言うのです。
今、思えばそこから彼女のお節介が始まっていたんですね。

私はその頃、主婦兼、パートでホテルの電話交換手の仕事をしてましたが、彼女はヨガのワークショップの後、ヨガスタジオの受付業務のスカウトをしてきました。
このヨガスタジオの受付の仕事は、レッスン代が無料になるから転職しちゃえばと。
娘を預かる時と同じようにニッコリ笑って。

でも勤務時間が合わないからと断ると、店長を口説いて、私の好きな時間で働けるよう条件を整えてくれたのです。
そのおかげで私はそのヨガスタジオの受付の仕事を好きな勤務時間で働き、ヨガやピラティスまで無料で受けられることになりました。
彼女は私が働きやすいよう条件を整えるばかりか、仕事面での成長も促してくれました。
そこのヨガスタジオは彼女が辞めた後も8年ほどスタッフとして在籍してましたが、そこでまた彼女のお節介が始まりました。
今度はヨガスタジオの受付業務を辞めて、先生になっちゃえと言うのです。
そろそろそうしようかと迷っていた時だったので絶妙なタイミングでした。
まずは辞めてから今後のことはゆっくり考えようなんて思ってたら、辞めた途端、彼女は生徒を数人紹介してきました。
すでに場所や日程の候補まで押さえた上で。

そうやってまたも彼女のおかげで口コミでポチポチと生徒さんが増えてきて、リズムが手始めたころ、彼女はまた急かしてきました。
スタジオ開いて、ホームページも作らなくちゃねと。
いい場所もあるよと、場所を貸してくれる人の間に入って紹介までしてくれたので、もう後には引けない状態に。

パソコン苦手なのでホームページの作成を躊躇ってたら、彼女は私が手伝うからと、マクドナルドで私達の企画会議が始まりました。
ヨガスタジオの受付業務の経験がある彼女は、アドバイスは具体的かつ的確。
ホームページ用に写真撮影して、チラシまで作ってくれました。

それが今に繋がっています。

でも先週から函館の母の具合が悪くなり、急遽、帰省中です。
またもお節介な彼女は私が気落ちしないようにと、せっせと私が大好きなNYの動画や画像を送ってきます。
彼女はちょうどNYに旅行中なのです。
でも気配り上手な彼女のことだから、地域の高齢者の為の情報もしっかり添えて。
そして今度はNYへ一緒に行こうと誘われています。

私のスーパーお節介さんはお節介の領域を超えて、いつも私の一歩先の夢をリードしてくれています。
彼女のお節介に乗せられて、私はいづれまた新しい方向に動くことになる予感でいっぱいです。

イカハゲネーム さとみ

男女の仲を取り持ちたいおせっかいさんというのはどこにでもいるようです。

大学二年生の夏、私は北海道でを一人旅をしていました。これは、稚内で泊まった宿での話です。その宿には談話室があり、宿泊者がそこで酒盛りをしていました。私は、そこで一人のおじさんとウマが合い、好きだった先輩に告白してフラれたことなどを、ベラベラと喋っていました。

すると、そのおじさんが向こうから一人の男の子を連れてきてくれました。歳は私と同じくらいの、ちょっぴりシャイな感じの男の子です。その男の子は、バイクで北海道を一人旅しているそうです。
「明日、この子を後ろに乗っけて、どっか走ってきたら?」
周りの大人たちが無責任に囃し立てます。彼は、ハイともイイエともつかない感じでモジモジしていました。

次の日の朝のことです。驚くべきことに、彼は、わざわざホームセンターに行って、私にかぶせるためのヘルメットを買ってきてくれたのです。こんな展開、予想していませんでした。胸が高鳴ります。私の夏が完全に始まりました。

ヘルメットをかぶって、バイクの後ろにまたがり、落ちないように彼の腰に手を回してつかまります。男の人とこんなに密着したのは生まれて初めてです。ち、近い…! 彼の頭の匂いまでわかってしまいそうです。ウブだった私は、彼の匂いと、体温に、ガツンとやられてしまいました。

その日は一日、海辺の道を走ったり、一緒にソフトクリームを食べたりして、楽しく過ごしました。私はすっかり恋人気分でした。

彼とはそれっきりで、その後連絡を取り合うことすらなかったのですが、今でも忘れられない、楽しい夏の思い出です。あの夜、おせっかいを焼いてくれたおじさん、本当にありがとうございました。

イカハゲネーム:くつなっこ

私には第二の故郷と呼ぶ場所があります。愛媛県松山市にある、忽那諸島(くつなしょとう)という島々です。

私のイカハゲネームの由来でもある地名で、みかんなどの柑橘を栽培する農家さんと、瀬戸内海を漁場とする漁師さんが暮らしています。一番よく足を運んでいる怒和島(ぬわじま)は、コンビニはもちろん、信号機すらないですし、携帯の電波も入りにくいところがあったりする人口300人程度の小さな島で、以前、島留学のプログラムで訪れて以来、仲間と何度も通っています。(※ちなみに「ダッシュ島」の近くです。)

この島には、私たちが「島の父さん」と慕っている田中さん(72歳)という重鎮がいるのですが、父さんは昨年、携帯電話をガラケーからスマホに変えたのを機にLINEを始めました。それまでは、しょっちゅう電話やメールで連絡してきたのですが、スマホになってからは、島に通う仲間と父さんでLINEグループを作り、日々の出来事をやりとりしています。

「今日はハマチが大漁です」「島の小学校で運動会がありました」 「明日、みかんを送るよ」など、よく写真付きで島の様子を送ってくれるので、離れていても島の暮らしに思いを馳せることができるのは嬉しいことです。

しかし、父さんは台風のことになると、ちょっとおせっかいが過ぎます。日本列島を台風が襲うとニュースになれば、即座に「みんなは大丈夫か?気をつけろよ」「停電はしてないか?」「島では波が荒くなってきました」「こちらは無事に通過したようですが、東京はまだ気をつけて」と、非常に細かい報告と、過度な心配のメッセージが絶え間なく送られてきます。

たしかに、島では過去にも台風の大きな被害があったり、西日本豪雨でもみかん畑が流されたり、人的被害があったりと大変だったようで、農家さんや漁師さんにとっては影響が大きく、台風は一大事のようです。しかし、東京で生活する私たちにとっての台風は、交通機関に影響するくらいですし、いつでも天気予報や台風情報は確認できますので、そんなに大騒ぎするほどではありません。

しかし、既読スルーだと父さんがスネてしまうので、誰かしら空気を読んで、持ち回りで適当な返事をするというのが暗黙の了解となっています(笑)。

実の親子でも、台風くらいではそんなに心配しあったりしないのですが、島の暮らしと東京の暮らしがかけ離れすぎていて、おせっかいなコミュニケーションが生まれています。正直なところ、台風の時はちょっとうっとうしいなと思いつつ、離れていても心配しあえる家族のような存在は、これからも大切にしていきたいです。

イカハゲネーム 白くま

おせっかい焼きな人って、人の気もちを考えているようで、どこか鈍いところがあったりします。

その子は大学の同級生で、同じゼミでした。明るくハツラツとして、どこか抜けたところもあったけどそれもいいアクセントで、いつも笑いの中心にいる、みたいな子です。自然とぼくも吸い寄せられて、一緒になって笑っていました。くしゃりとした笑顔が可愛らしい子でした。

その子と仲良くなってしばらくすると、「Aさん可愛いよね」と言ってきました。Aさんは同じゼミの子です。「オーケストラもやってるし、服のセンスもいいし、白くまくん付き合っちゃえば。Aさん、彼氏いないって言ってたよ」
突然の言葉に、驚いて拒否しました。「ぼくは、いいよ」
「えーなんで。脈ありそうだけど。ほかに好きな人でもいるの?」

彼女は笑顔で言いました。ぼくは苦笑しながら、どう言おうか迷いました。
ほんとうは、目の前の彼女のことが好きだったからです。
――なんでキミが「付き合っちゃえば?」って言うんだよ。
胸が締めつけられる思いでした。
彼女にとっては、ただの男友だちでしかないことに気づかされました。ぼくは何も言わずに、曖昧に笑っていました。

後日談
それからも彼女は、事あるごとに「Aさんに好きって言っちゃえば」とか言ってきたり、飲み会をセッティングしたりしてきました。これ以上逃げられないなと思って、ぼくは「キミが好きなんだ」と言いました。彼女は驚いた顔をして、「そうだったの」と小さく言いました。苦い思い出です。

イカハゲ先生 ~58分ごろ

イカハゲネーム:せとかちゃん(4歳)

イカハゲ先生、「おじゃま虫」ってどんな虫ですか?見たことありますか? 「おじゃま虫」 はチョウチョのように大きな羽根があるのですか?クモみたいに足が8本あるのですか?ハチのように針でチクっと刺すのですか?教えてください。

イカハゲネーム:さよちゃん(7歳)

クリスマスの朝にはいつも枕の横にサンタさんからのプレゼントが置いてるけど、サンタさんはえんとつから入ると絵本で読みました。 えんとつがある家なんて見たことがないけど、サンタさんはどうやって入ってくるのですか? サンタさんなんていないよ、という友だちもいます。 でもプレゼントは枕の横に置いてあるし、 どっちがほんとですか?

井川さんの一枚

マメヒコ公園通りの店内に強い西日が差し込んでいます。 冬のほうが、太陽が低いので、店内に強い西日が差すのです。 こういう明かりを、神様の光と表現したくなります。クリスマスツリーがきれいです。

【お知らせ】

いつもイカハゲ深夜便生放送お聴きいただき、ありがとうございます😊

さて、来週のお便りテーマですが、
「背中を追いかけたあの人の思い出」です。
〆切は来週月曜11/26です。
どんな背中をどんな気持ちで追いかけたのか、いろいろな思い出お待ちしてます!

エトワールヨシノリサイタルにお出かけの方は、ぜひ感想もお送りくださいませ!

よろしくお願いします!

【随時募集】

  • 「ちょっと聞いてよ、井川さん」(テーマ自由で何でもOK)
  • 自己紹介代わりに聞かせてほしい「あんたのお名前なんてーの?」
  • チビッコからの疑問質問なんでも答えちゃう「教えて!イカハゲ先生!」