今週の井川さんのはなし ~30分

知りませんでしたがロスジェネ世代、ロスジェネ中年なんだそうです。 ロスジェネとは、「ロスト・ジェネレーション」の略で、失われた世代という意味なんだそうです。 この「ロスジェネ世代」にあてはまるのはバブル崩壊後から約10年間の期間に就職活動をした人たちのこと。 つまり、1970年~1982年頃に生まれた世代、ボクは1973年生まれですから、ロスジェネ中年ですね。
なんとも、ロスジェネについてはネットで散々なんですよ、というはなしを。

今週のお便り ~55分

暖かい日が、ありますね。今週のお便りテーマは「この春、力試ししてみたいこと」です。 みなさんも、長く寒かった冬を越え、よい春をお迎えください。

実はわたくし、夫の転勤に伴い、4月から横浜に住むことになります。

というわけで、この春は、お部屋探しと引越しを頑張りたいです。

頑張るといいますか、私は部屋探しと引越しが大好きなので、自然と張り切ってしまいます。
まず、間取り図を見るのが好きだし、地図とにらめっこしながら、お目当ての物件の位置に印を付けていくのも好きです。
そして、実際に物件を見に行くのはもっと好きで、空っぽのお部屋を見ながら、新しい生活を妄想してニヤニヤしてしまいます。

そういえば、好きが高じて、学生時代は、学生生協で新入生に物件を紹介するアルバイトをしていました。
現役の学生がリアルな学生生活に基づき物件を紹介するというのがウリでした。
合格発表の翌日になると、たくさんの新入生とその保護者が学生生協に押し寄せます。
彼らに物件を紹介し、一緒に内覧に行き、決断をさせ、契約デスクまで連れて行くのが私の仕事でした。

朝から晩まで何組もの親子を相手にしましたが、理系の学生が7割を占める大学でしたので、一番多いのはシャイな理系男子とおせっかい焼きのお母さん、という組み合わせでした。
このパターン、だいたいの場合はお母さんのほうが喋りまくります。
一方、息子のほうはというと、こちらはほとんど喋りません。
「ちょっと~!春からこの部屋に住むのはアンタなのよ~!少しは意見しなさいよ~~~!」と心の中でヤキモキしていたのですが、男の子ってお母さんと一緒だと案外こんな感じなのでしょうか。

お題からはかなりズレてしましましたが、春、そして新生活というと、このアルバイトのことを思い出します。

このはフィルムカメラで写真を撮ってみたいと思っています。
実家の物を整理していた時に、父が愛用していた古いカメラを何台か見つけたからです。
中でも黒いカバンに入っていたカメラに目が留まりました。
箱に長い年月閉じ込められていたカメラは、かつて愛された美しさを保っていました。

今までカメラに興味はありませんでしたが、
最近、イカハゲphoto classで写真を撮るようになったせいもあります。
また行きたいと考えているNYで写真を撮るのもいいなと思いました。
母の介護と娘の大学受験も重なり、そう簡単には動けませんが、望む方向を忘れずにいながらも、今出来ることを楽しむことが私の気持ちを明るくします。

フィルムカメラでまず撮ってみたいものがあります。
父が何十年も使っている国語辞典。
あんなに綺麗に汚れている辞書を私は見たことがありません。
小学校も満足に通えなかった父ですが、知らない言葉や漢字に出会うと、今もその場で辞書を引いています。
私が子どもの頃は、まだ小学生の私にも漢字を聞くこともありました。
あの辞書は父にとっては生涯の師。
私から見ると父の生きてきた痕跡が染みついている父の分身にも見えます。

フィルムカメラを構えると、父の工場や、故郷の景色も、きっと軒下のつららすら輝いて今までと違うものに見えてきそうです。

人は同じ事を繰り返すとは言いますが、一度故郷を離れて再び戻って来てみると、こんなものと思っていたものが実はそうではなかったという気付きもあります。

フィルムカメラで撮る写真は誰かに見せる為にというより、新しい視点で私自身のルーツに光を当てる為に撮ってみたいと思っています。

まだまだ寒さは続きますが、気持ちだけは一足早いの到来を感じています。

井川さんの一枚

エトワールの稽古場から見える晩冬の東京。手前の桜の木が満開になるころ、ヨシノのリサイタルです。
イカハゲ深夜便、毎週の更新は、しばらくお休みしますが、生配信は続けますし、録音も不定期でお送りするので、またみなさんお会いしましょうね。

それまで、お元気で。