「ゲーテ先生〜」の脚本の書き方

今夜のイカハゲは、「ゲーテ先生の音楽会」の脚本を解説します。「脚本」をそもそも読んだこと無い方に、できるだけわかりやすく脚本の書き方を解説します。

まずモチーフを決める

「ゲーテ先生の音楽会」は馴染みのある音楽を、違った切り口で解説する、音楽の授業のような側面があります。

毎回扱う題材をなににするか、直感とひたすら下調べです。こんなのはどうだろう。たとえば日本の民謡とシャンソンはおんなじルーツではないか?というモチーフがあるとします。それを裏付ける根拠をひたすら探すのです。音楽を聞いたり、本を読んだり。WEBの動画も関係あるものはひたすら見る。その中から、これはいけるかも、という根拠が見つかればいいですけど、見つからなければモチーフからやり直します。

出演者を決める

脚本にとってモチーフはとても大切ですけど、それよりなにより、誰に出てもらうか?がもっとも大切な要素です。出るヒトによって、作品の色が変わるからです。ではその大事な出演者はどう決めるか?一にも二にも、予定が空けられるヒトです。

本番はもとより、稽古の予定も空けられなければどうにもなりません。本番は別として、稽古は空いてないという場合も多い。それでも「無理です」というヒトと、なんとか「空けようとしてくれるヒト」じゃ、後者を選びます。

出演者と脚本、どちらを優先するか

脚本を先に書いてふさわしいヒトをキャスティングする。そういう順番だと思うでしょう?たしかに脚本がないとキャスティングできませんが、書いた脚本にふさわしいヒトをキャスティングするのはまったく現実的ではありません。そんな選べる立場にいないのです。とにかく空いてるヒトでキャスティングを決めてしまう。そして一度決めたらあとは一蓮托生です。その人達とどう作っていくかが大事なのです。

たとえばキャスティングしてから本読みさせてみたところ、どうにも芝居が下手くそで厳しい。そういうヒトを選んでしまったらどうするか?何度も稽古して、できるようにさせる?あーーー、そんなの無駄です。無駄。

勘所がないヒトに時間をかけたところで、できるわけないのです。選んだ自分を恨むしかない。選ばれた方に罪はないのです。なんとか出番を減らしたり、別の役に変えたり、どんどんと脚本を書き換えましょう。それは脚本を書いた身からすれば手間ですよ。大いに手間です。けれど「ゲーテ先生の音楽会」を創るというのはそういうことです。

テーマを決める

さて、なんとかキャスティングが決まり、稽古を進めていく中で、つまりこの脚本は何が言いたいのか、というテーマが大事になってきます。登場人物は人間なのですから、欲求があり、そこに障害があり挫折、そして達成がある。それらを抱えながら話を進めていくのです。

お昼ご飯を食べようとしていたところに、宅配便が来て、受け取ってみると時限爆弾だった。それでもお昼ご飯を食べようとする。刻一刻と爆発の時間は迫る。なんてお話にも、なぜそんなにまでしてお昼ご飯を食べたいのか?が描けてないと途中でつまんなくなっちゃう。

脚本のテーマはもっとも大切ですが、それを妨げるような事情がいっぱい出てくる。そのなかでも、粘ってテーマに向かい合う胆力が必要なんです。

詳しくは今夜

今夜5/28(火)の19:30から、渋谷のマメヒコ公園通り店で今週末のゲーテ先生の音楽会「先生、ニューヨークで歌う」の解説をします。

実際いま稽古してる脚本を読みながら、書き方を解説します。今日はまだ火曜日ですから、金曜の本番までに脚本はまだまだ変わるはずです。本番当日を迎えてもガラガラ変わるんですから当たり前ですね。

小説とは似て非なる「ゲーテ先生の音楽会」の脚本執筆の裏側を聞きに来てください。直接その時間にお店に来てくださればいいです。参加費などはありません。

 

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