長年、一緒に仕事をしてきた瀬尾さんと中島みゆきさんは、
勝手知ったる間柄ということもあり、
デモテープも短時間でサクサク作ってしまうんだそうです。
ところで、デモテープって何なのでしょう。
「デモテープ」という言葉を耳にすることはあっても、
曲を製作するどの段階で誰が作って、
どんな役割を果たしているかはよく知らなかったりします。
もちろん、ミュージシャンによってもデモテープの扱いは異なるのでしょうが、
瀬尾さんと中島みゆきさんとの間における製作過程のお話は、
「そんなふうに曲作りをしてるのね!」と大変興味深いものでした。
それでも、デモテープは完成形ではなく、曲作りの序盤。
より良い作品にするために、レコーディングしてみた印象によって
どんどん手を加えていくものなのだそうです。
場合によっては、収録したパートのうち、歌しか採用されず、
楽器の演奏をまるっと差し変えるケースもあったりするそうで。
歌が生きなければ、どれだけ素晴らしい演奏であっても採用しない。
これぞプロの仕事!…カンタンにできるものではなさそうです。
そんな話を聞いて、井川さんは
「中島みゆきが歌ってさえいれば、
どんな曲でも中島みゆきっぽくなるわけではない」
ということに気づいたようです。
瀬尾さんは、自分はあくまでもバックアップする仕事をしているのだと
ことあるごとにこのラジオの中でも言っていますが
その人らしさを表し、曲の魅力を最大限に引き出す
プロデュースやアレンジのチカラは大きいものです。
二人三脚だからこそ、数々の名曲が生まれるのですね。
完成した作品から、そこに辿り着く過程を想像してみると、
これまでと違った魅力に気づけるかもしれません。