瀬尾さんのやっている編曲のお仕事というのは…曲のアレンジの構想を練るのにじっくりと時間をかけるのだそうです。そして方向性が決まればあとは手を動かし譜面に起こすだけ。そうなれば楽器が目の前になくても、頭の中で各パートの音が鳴り、それが重なって曲の完成形が頭の中に描けるのです。さらには歌い手の歌声の響き、そしてその表情までも想像しながら楽曲作りをしているのだそうです。
瀬尾さんは「だってプロだから」「何十年もやってるから」と言いますが、そんなことができるなんて本当にすごい!実際にその曲作りの現場を見てみたいと言う井川さんは「黙って見てるだけだから」と粘りますが、瀬尾さんは頑なに拒み続けます。創作の現場はさながら鶴の機織り。人に見られればどうしても意識してしまうし、本来のチカラを発揮できなくなる、とてもデリケートなものなのです。
そして、瀬尾さんは、ときには曲のアレンジの一部を他の人に任せることもあるのだそうです。というのも、何年もこの仕事をしていると、過去に手掛けた作品で同じ拍子、同じような曲調の楽曲があるかもしれず、無意識のうちに過去作品と似通ってしまうことがあるかもしれないのです。それを避けるため、あえて違う感性、違う発想の人のアイディアを取り入れる。そういう意味で他の人に任せる部分を作っているのだそうです。
最初は「全部やるのは面倒だから」と軽く受け流していた瀬尾さんですが、掘り下げて伺えばちゃんとした理由があるもの。そんなお話が聞けるのも、「ラジオ瀬尾さん」ならでは、です