マメヒコの井川とクルミドコーヒー、
胡桃堂喫茶店の
店主影山知明さんとの対談です。

(影山知明)
井川さんはぼくの人生を2008年~
あらぬ方向へと導いてくれた
張本人であります。

以来、井川さんとはよく会い、
よく話をしてきました。
一緒に話をした時間を集計するアプリでも
あったなら
ぼくの人生においては井川さんがダントツの1位。
その長さはもちろんですが
その中身の濃さ、気付きの多さ。
それは、井川さんが、自分とはまったく違う
タイプだからということも
大きく作用していると思います。
ゆえ、今の自分の大きな部分は
こうした井川さんとの関わりによって
できていると言って、過言ではありません。

マメクル2020 #12/予測とコントロール

[powerpress channel=”ikawayoshihiro”]

喫茶店に勤めているボクの考えを申し上げたいと思います。

教育にしても、法律にしても、経済にしても、政治にしても。
あらゆることを予測し、コントロールし、
合理的に振る舞うよう求めるいまの現代社会は、
明らかに行き過ぎであり、狂っていると、
喫茶店に勤めているボクは感じています。

たとえば。
自然に対しても、徹底した予測とコントロールを求める。
小さな子供に対しても、過度な予測とコントロールを求める。
世論に対しても、操作をしてまで予測とコントロールを求める。

「あのねぇ。そんなことを続けてればさ、
予測とコントロールがなけりゃ動けない、
何をしていいのかわからない。そんなやつが続出するってのがわからんのかね」

つまりですな、その、
とても非合理的な社会になるとわかんないのかね、
と喫茶店に勤めているボクは、
カウンター越しにお客様に繰り返し申し上げているのです。

「まったくよぉ、科学は万能じゃねんだぞ、こら」と、
ありとあらゆる制服を着た「現場」が、大きな声で叫べばいいのよ。

「薬は万能じゃねぇぞ、こら」、「教師は万能じゃねぇぞ、こら」

「だからよぉぉぉぉぉぉ、
自分である程度考えてくんないとよぉぉぉぉぉ、
困っちゃうのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

喫茶店に勤めているボクは、なんでみんな、文句言わないのか謎です。

たとえば子供というものは、突飛なことをするものです。
突飛なことをすると書いて子供と読むんです。

子供の突飛に付き合ってあげるのが、教育なんじゃないですかっ。
突飛なことをしちゃダメっというのは、教育でもなんでもないんじゃないですかっっ。
あなたね、予測できずコントロールできないことはそんなに恐ろしいですか。
そちらのあなたね、予測できずコントロールできないことはそんなに不安ですか。

現場ではないどこかで。
予測とコントロール可能なデータを操って、
「ほら予測できた、コントロールできたよ」と呑気に鼻を膨らませてる連中を見て、
「そったらこと 当たるも八卦、当たらぬも八卦に、なにを偉そうに」と。
現場はみんなで笑えばいいのにと、喫茶店に勤めているボクは思いますです。

路地裏の喫茶店で、今日も蝶ネクタイを締め灰皿を洗っているボクは、
お客さんの小さな声がよく聞こえるよう、今日も念入りに耳くそをほじっています。