マメヒコに興味が持てなくなって、
「こんな店、どうにでもなれ」とほっといた時期がありました。
ところが親がなくとも子は育つ、とは言ったもんで、
ボクがいなくても勝手にマメヒコは育ったわけです。
育ったというのは、マメヒコらしさみたいなものが育まれたという意味です。
じゃあ、誰が育てたかっていうね。
スタッフの中にボクに代わるリーダーシップを持ったやつが現れたとか?
そうじゃないんですね。
お客さんが店を育てたんだと、ボクは思ってるんです。
うちのトイレはいつもきれいですけど、なんでそんなにきれいかって言ったら、
それはお客さんが使うたび掃除してくれてるからなんですね。
店のオーナーがやることなんかとくにないや、
今でもそう思ってるのはそのときの体験があるからです。
なんか始めようと思ってるなら、とにかく早く扉を開けたほうがいいよ、
歩き出したほうがいいよ、と言いたいのね。
やってみなけりゃわかんないんだから。
ボクだってまさかお客さんがトイレ掃除するとは思わなかったわけでさ。
ボクにもなんかやりたいんだけどって相談するヒトがたまに来ますよ。
もちろん話は聞いてあげます。
こうしたらってアドバイスしたりもします。
水だけは差さないようにする。
だけどなかなかやらないね。
やるリスクもあるけど、やらないリスクもあると思うけど。