第1話-Act.3 配信されました

こんにちは、制作の坂本です。
第1話 Act.3が、配信されました〜!

あらゆるテイクを知っている身としては、
果たしてこれがドラマになるのだろうか…と懸念していましたが、
無事に、第1話がこれにて終了!
次回から第2話が始まります。
美しい作品に仕上がっていて、
感慨無量です。

脚本を読まずに、ドラマだけを初めて
ご覧になる方はどう感じるんだろうなぁ。
このヒト誰だろう?とか
いま何が起きたんだろう??とか。

「ノッテビアンカ」は、
よく分からないながらも見続けていると、
後からようやく分かるという部分が、
現代のドラマよりも多いと思うのです。

登場人物にテロップがある訳でもないし、
専門用語が理解できたら
理解できる訳でもないし、
一見分かりやすくはないでしょう。

見てると、点の情報は入ってくるけれど、
線の情報として、自分で理解するまでに
少し時間がかかる、
といえば良いでしょうか。

さて、第1話 Act.3では、
セツオの料理シーンがあります。
いかひこお弁当クラブや、
マメヒコの食事会の延長にあるからこその
シーンだと感じる箇所が散見されますね。

野菜は、郊外の農協のオープン時間に、
朝採りのものを調達。
醤油は2年ものの木桶仕込みだし、
卵は産みたてのもの。
味噌はもはや何年ものか知らないけれど、
北海道のハタケで、豆の栽培からやったもの。

皆さんお気づきだと思いますが、
映像的には、これらである必要は、
全くありません。
シュウマイに使ってる産みたて卵、
映ってるけど、映ってません。

でも、私たちがやると、
撮影であっても、 日常の延長にあるので、
そういった材料が
当たり前のように揃います。
撮影で使った料理は、まかない となり、
みんなで美味しく食べました!

まかないと言えば
「ノッテビアンカ」では、
“まかない部”というものが、
いつの間にか出来ています。

ロケはどうしても計画通りにはいかず、
お店に入って食事をとる時間もないので、
ロケ隊が食事を抜きがちなことに気づいた方々が、
“まかない部”を結成してくれて、
ロケ先まで、手作りのご飯を
届けてくれます。

お昼時になると“まかない部”が、
どこからともなく現れて、
さぁ食べて食べて!!!と
お皿とお箸を渡されます。
暑ければよく冷えたお茶もあるし、
寒ければあっつあつのお茶も配られます。
スープや、ホットアップルサイダーがあった日もあったっけ。
大鍋でおでんがあった日もありましたね。
カセットコンロもあって、もはや炊き出しのようでした。

ロケ隊が食べている間に、
片付けを並行して済ませるようで、
野外ロケでは、まかない部は気づくと撤収しています。笑
野外でも使い捨てじゃない
お箸を渡されるときがあって
驚くのですが、洗い物まで
してくれているのでしょう。
本当に頭が下がります。

まかないは、その時々で、
季節のものが並ぶので、
一般的な「ロケ弁」を
食べたことがありません。
「ロケに参加すればするほど
健康になるね」 とは、
某役者の感想です。たしかに。

井川さんは「口中調味」ということを
よく言っています。
料理の一品ずつ味がきちんとついていて、
一口食べて美味しいと感じるものよりは、
口の中で味が混じって丁度いいように
作るほうが良いということです。

「口中調味」も、こういう情報ですよ!と
分かりやすく提示されない代わりに、
点の情報があって、それを自分で繋げて、
線の情報にしていく楽しさがあると思います。

言い換えれば、「口中調味」とは、
メインはこれ!と
一点の主張がない代わりに、
 全体的になんだか良いよね、
ということでもありますね。

「ノッテビアンカ」も有名俳優は
誰も出演していないけれど、
まかない部をやってくれてる方々も含めて、
全体的になんだか調和した世界があると感じています。

見てくれているあなたも含めて、
 作品として成立していれば良いなぁ。

ある日のまかない。机にしているのは、撮影機材ボックス。ロケあるある。
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