第4話-Act.1 配信されました

こんにちは、制作の坂本です。
第4話 Act.1が配信されました!

いつもこの制作週記を書こうとすると、
現在・過去・未来のどの時制で書こうか迷います。
私の頭の中では、作品の時系列よりも、
ロケの時系列のほうが強いので、
あーそういえばこんな感じだった・・・!
と、思い出すこともしばしば。

第4話 Act.1だと、冒頭の伝言ゲームのようなシーンは、
撮影日がバラバラなので、
繋げたものを見ると何だか楽しいです。
この短いシーンを撮るのは、案外時間がかかりました。
ユウイチも、ついにセリフデビューしていますね!

屋外のシーンは、マサシとマイコ・セツオとケンタの
印象的なシーンが続きます。
背景には、木の葉の黄色が押し寄せていて、
これまた印象的です。
光できらきらと輝くものを見ると
「色とは、壊れた光である」という言葉を思い出します。
言い換えれば、色は光でできている、ということです。
秋の陽の光で、こんな黄色が生まれてることに、
カメラを通して改めて気づきました。

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昨日一昨日のロケは天気に恵まれ、車で移動していると、
満開の梅が、時折、目に飛びこんできました。
いい佇まいだと感じる梅は、古い戸建ての庭にあるものばかりで、
建売住宅が並ぶ一角に、梅を植えてる家はありません。
万葉集で詠まれた「はな」は、梅のことですが、
この先はどんどん植えられなくなり、
人家を離れる花になるのかと思うと
うら寂しい気持ちになります。
桜が満開に咲き誇る春盛りよりも、
梅がほころぶ、冬と春の境目のような、
うつろいの季節が私は好きです。

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公開された回のロケのことももっと書きたいけれど、
昨日一昨日のロケの記憶のほうが鮮明だし、
なんなら、ここ数日は、来月のロケ地を探して、
あちこちに電話をかけています。
とにかく「ノッテビアンカ」というものは、
良くも悪くも、説明に困るのです。

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ーえ?配信がYouTubeって、YouTuberさんですか??
ーいえ、配信プラットフォームがYouTubeなだけでして・・・。

ー清掃シーンですか?うちのスタジオの前、
道幅狭くて、清掃車とか停車できないんですよ。
ーいえ、日産クリッパーです。大きな車はありません。。。
(清掃車とかどうやって手配するんだろう)

ー人数が15名以下であっても、美術部とか照明部とか、
トラックで来られる場合は、大規模撮影となりますけど??
ーいえ、トラックもありませんし、そういった部はありません・・・
(部を名乗ってるのは、まかない部しかないよな)

ーいやぁ、お話伺っても、まだハテナって感じです。
ーはい、後日、ロケハンに伺いますね。
(まぁ、ごもっともです)

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ロケ地のオーナーが物分かりが悪いという話ではなくて、
私の説明が悪いということでも多分なくて、
前例のなさゆえに、得体が知れないと思われてしまい、
全く想像がつかないんだろうと思います。

自主制作映画ならともかく、
自主制作に近いかたちのドラマって時点で、おそらく珍しい。
うっかりカフェを名乗ろうものなら、
カフェ?ドラマ?YouTube?????と、
相手はますます混乱します。

意味不明なことを言ってるつもりはないけど、
相手にとっては恐ろしく意味不明なので、
どういうものかを説明するのに
時間をかけなくてはいけません。
一度ご縁が出来て、ロケでお借りすると、
以降は快く貸してくれて、
融通をきかせてくれる方が多いです。
相手の想像する「ロケ」と
私たちの「ロケ」は、
最初から一致することはまずありません。

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こんな感じで、あちこちに、
ロケのあれこれで問い合わせていると、
映像制作は、行政やテレビ局などの大きな何かがバックにあるか、
趣味でやってる個人かの、どっちかしかなさそうだと感じます。
ロケツーリズムに「ノッテビアンカ」のような形態の
ロケは想定されていないでしょう。
ロケの間口が狭いから、作品も生まれにくいし、
作品も生まれないから、理解もすすまない。
で、結果として、似たような作品ばかりが生まれてしまい、
それに視聴者が慣れてしまい、やがて飽きられる。
視聴者を失えば、作品の力もなくなって、
全体が衰退していき、文化がまたひとつ失われてしまう。

そんな輪があることを目の当たりにすると、
なんともいえない気持ちになります。
あるときは、草の根運動の気持ちでいること、
またあるときは、みんなの協力を仰ぎながら工夫しよう、
と楽しくやっていくことが、
輪に飲み込まれないコツなんだと感じます。

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昨日と一昨日は、ロケに参加しているスタッフの家を
ロケ地として撮影を行いました。
何回目かの撮影になるので、大家さん?も慣れたもの。
撮影で使うような制作グッズやら、
まかないやらが用意してあって、
接待か・・・!と突っ込みたくなります。笑

スタジオのように撮りやすい環境ではないので、
広い画角であっても、スタッフが写り込んでいないことに、まず感動。
カメラの向こうでは、三脚にもぐり込んでいたりと、
ツイスターゲームのような、無茶苦茶な体勢になっています。
テイクを重ねると、身体のどこかが痺れてくる人もいるはず。笑
傍から見たら、なにやってるんだ・・・ですが、
あの手この手で、どうにかしてみんなで撮り進めていくのが、
ノッテビアンカスタイルです。

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セツオが、ゴミ屋敷は「孤独のかたち」なんだ、
というシーンがありますね。
ノッテビアンカには、どんな人でも参加の余地があるので、
アトム化していく人たちの居場所にもなりそうだと思っています。

先日、撮影後に、良いお天気だね〜と口々に、
ピンクのピクニックシートを広げて、
差し入れのチョコレートを、持ってきた熱いコーヒーと共に、
わいわいと頂いているときに、ふと、
これって孤独の対極のかたち、なんじゃないかと思いました。

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あっと言う間に、配信の金曜も迫り、
ロケの土曜と、ヨシノライブの日曜もやってきますね。
1週間、はやすぎ。
それでは、また来週〜!

函館からの差し入れのチョコレート。ファンは全国に?!
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