パブリック

パブリック

パブリックとは公共という意味で、反対語はプライベートだね。ボクはあんまりプライベートというのは好きじゃない。2005年、カフエマメヒコを始めた当時にあったカフェは、オーナー色がとても濃いイメージがあった。だから、そんなの嫌だと思っていて、自分がカフェをやるならどこか神社であり、教会である、パブリックなものでありたかった。
マメヒコは木製の長いテーブルがあって、なんであれにしたんですか?と聞かれることがあるけど、なるべくパブリックな、みんなの目というものにお客さんを晒したかったから。だからボクらはお客さんをセレクトしなくちゃいけない。マメヒコを作ろうと思った時はニューヨークにいたんだけど、ニューヨーク、パリ、ロンドンで気に入ったカフェを写真におさめていた。多分、インテリアやコーヒーの味は真似することができる。唯一真似できないのは、お客さんだなと思った。お客さんこそが一番のインテリアだと。ボクは日本人の、他人に迷惑をかけない奥ゆかしさみたいなものをいいなと思っていて、奥ゆかしい感じの男でも女でもまばらに座ってくれればインテリアになるなと思って、長テーブルにしたんだけどね。でも、結果的にはプライベートになっちゃう。そういうパラドックスが起きているものの、みんなが大事に使いたいなとか、綺麗に使いたいなと思ってくれて、それで、お金もなんとなく回っているというものを作りたい。
言ってみれば、自然なものを作りたいってことなのかな。だって、自然は何らかの力がコントロールしてるわけでしょ?例えば、朽ちた木がダンゴムシや微生物やらで土に還るというように、なんとなく必然があってそこにみんなが役割を持ってそこが守られている、というようなものがやりたいと思う。

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