フラクタル構造

フラクタル構造

ロマネスコという野菜をご存じですかね。見た目は仏像の頭みたいな。

小さなロマネスコが集まって、大きなロマネスコになっている。分解すると大きい物をそのまま小さくした物になる、そういう構造をフラクタルというのね。
リアス式海岸というのは航空写真で撮ってもギザギザ。それをアップにしても、どこまでもギザギザである。ギザギザの石が集まって、リアス式海岸になっている。これも、フラクタル。

ボクが好きな詩があってね、金子みすずの「蜂と神様」という詩なんだけど。

蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神様のなかに。
そうして、そうして、神様は、小ちゃな蜂のなかに。

この詩がフラクタルを語っていると言われているんだよね。カメラで言うと、引きは引き、寄りは寄りという、どちらかだけのベクトルで考えていると、こういう発想って持ちにくいよね。

フラクタルって、整体にも出てくる言葉なんだけどね。整体では、おっぱいが張ってると、形が似ているお尻を揉むと、おっぱいの凝りがとれるという。人間というひとつの大きな物も、各パーツに分けて、そのパーツの中に人間そのものがあるという考え方だよね。
身体の中でも、おっぱい、頬、おしり、いろんなものが相似しているという。
木の場合でも、枝は幹によく似ているし、根っこも、地上とそっくりな形で根を張っていく。そういう事からも、自然は、ある程度法則があって、複雑。

目的のためにやればやるほど、本来の豊かさ、幸せは遠ざかっちゃう気がする。
色んなことは複雑に絡み合っていて、それを手に入れるために、そっちに進めば進むほど、実は反対方向に進んでいることがあって、行っても行っても本当の物は得られないことがある。ミクロとマクロ、宇宙まで広げて視る視点は必要だし、そうすると、蜂の中に神様がいることってあるなぁと、ここんとこ、特に思うね。

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