滅私奉公

神戸は武士道というものが根付いていてね、滅私奉公という言葉をニ回くらい耳にした。
日本人らしいなと思ったね。

この言葉を知らないヒトのために簡単に説明すると、武士としての心得を記した「葉隠(はがくれ)」という本があってね。
その中に、「武士道と云うは死ぬ事と見つけたり」という有名な言葉があって、自分の命を捨ててでも主人のために尽くす、自己犠牲だよね。こういう考え方が、滅私奉公。

これが、日本の封建的な関係性でね。
そういうのはけしからんと、だからサービス残業、有給休暇が未消化なんだというヒト達がいてね。あくまでライフワークバランス、仕事とプライベートは切り分けた方がいいんじゃない?というふうになってるわけ。
でも、たとえ、それが世の中の風潮としてあったとしても、日本人の中に眠ってる滅私奉公の精神、そういう相手がいるのなら尽くしたいという気持ちは、なくならないんだと思うよね。

自分を捨ててもそのヒトに尽くすことが出来る相手がいるというのは、素敵なことだし、幸運なことだと思う。

この滅私奉公という考え方はコインの裏表みたいなもので、どんなクソな主人にでも、自分の命を捨てて尽くすべきという考え方と、主人たるもの、部下の命を犠牲にしてでも尽くされるような人物として足りうるように切磋琢磨しなくちゃいけないという2つの意味合いがあると思うんだよね。
昔は尊敬しうる師匠になったヒト達がいて、そのヒト達のために尽くそうというヒトがいたわけだから、滅私奉公という言葉だけをやり玉に挙げて、そんなことしてるから過労死したり有給消化が出来ないと言うのは乱暴だよね。

そう考えると、自分は滅私奉公してもらうほど人間力が足りてないし、真似できない。昔のヒトのように、自分を律して部下がついて行きたいと思うほどの大きな器の人間力があるヒトを目指せるものなら目指したいと思うけど、みなさんはいかがでしょう?

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