世間にはカフェが数多く存在しますけど、どうも長く続かない店が多いと聞きます。
たしかに、雑誌や何かで「カフェ特集」なるものがときどき組まれたりして、MAMEHICOもたまに出たりしてました(最近はさっぱりですが)。
いま。
かつてうちが掲載された雑誌を読み返してみると、おやまぁ。
ずらりと並んだ今はないカフェたちを目の当たりにする。
MAMEHICOの20年で振り返ってみると、よくまぁ、あんなにもたくさんのカフェが生まれて消えたものだと驚きます。
そして、今日、MAMEHICOが存在していること、そして、明日、消えるかもしれないこと。
ボク自身、あんだけ力を入れてやっていた渋谷のMAMEHICOは、いまはもう、なくなってるわけですから。
ひとごとではない、複雑な気持ちになります。
東京でカフェを続けること。
それは、戦国時代を勝ち抜くことに近い、そんな風に思われる方がいるかも知れない。
たしかに、お金は大事です。
稼がなければ生き残れないのは事実です。
正直、エグいですよ、ほんと。
だけどです。
ボクは、そもそも勝ち負けの戦が小さい頃から苦手です。
勝ち続けられたら、そりゃ気持ちがいいでしょう。
だけど、勝ちには勝ちの代償もある。
それは、なんとも大きいのではないか。
だから、ボクは自分もみんなも、なるべく戦わぬところに置いていたいのです。
勝ち負けではなく、毎日店を開けるスタッフの姿勢を見る。
朝早く起きているか、遅刻はしてないか、段取りよく準備をしているか。一人で仕事はやってないか、
みんなが同じくらいの負荷で店を回しているか。
材料は買いすぎてやしないか、迷った顔して仕事してないか。
スタッフと一対一で向き合い、自分の言動を客観視させることが大事だとボクは思う。
徹底的にストイックに自分てものを考えさせる。
考えられない、考えたくないというヒトとは一緒にやらない。
そう、決めています。
MAMEHICOも地方でお店を始めました。
そのとき、必ず「地域のコミュニティの場として機能させたい」という、ふんわりとしたことを、みな必ず言います。
それ自体は、嘘偽りなく、まさにその通りでしょう。
だけど。
とりあえず「店」は作るだけ作った、それで新しいコミュニティが長続きすることはない。
コミュニティと言ってもひとりずつの集まりなわけで、そのひとりずつに、コミュニティで何がしたいのか、コミュニティになにを期待するのか、自分にできること、できないこと、それを考えずして、見ず知らずの人が集まるコミュニティなんて、続くわけないとボクは思っている。