ボクは小さい時から、日本とヨーロッパの美意識の違いを感じていたんだよね。
実際、ヨーロッパを旅行するたびに、日本とヨーロッパの街並の違いって顕著だなと思う。
日本は清潔だけど、美しくない街並だなぁと思うね。
一方、パリやニューヨークを歩くとゴミが多くて臭い、ネズミが多いというネガティブな部分もあるけど、歴史と共に積み重ねられ、統一された美しさ、古い建物と新しい要素が混在した魅力というのは本当にあるよね。
ヨーロッパは歴史的な建物を残すという法律もあって、インテリアは自由だけど、エクステリアはある程度統一するという意識がとても強い。
一方、日本はエクステリアは何でも良くて、バラバラ。
ひとえに、日本とヨーロッパの景観の違いは歴史的な背景によるところが大きいと思う。
例えば、パリは第二次大戦中にドイツに占領されて、連合軍がフランスを奪還する時に絨毯爆撃を避け、歴史的な建造物への影響を最小限に抑えたということがあった。なので、パリには古い建物(旧市街)がそのまま残って、歴史的な街並みが現在も続いている。
一方、東京は第二次世界大戦の東京大空襲で、焼け野原になっちゃった。戦後、賠償金のような形でアメリカに吸い取られ、限られた資金で急ピッチで都市化、復興を進めた結果、どうしても街並は場当たり的なものになっているけど、狭い中、現状の中で工夫しているとこがあって、日本人の優しさ、我慢強さが現代の街並になっている。
そういう意味では日本は民衆の国。雑然としていることに優しさを感じることがあるのかな。
自由とも言えるのかもしれない。
ボクは美しいものも好きだし、自由も好き。
日本の中にある雑多や、完璧さを求めないヒトの暮らしがボクの中にもあって、雑多であること、完璧を求めない美しさというものを、いいなと思う反面、ヨーロッパに行くと、日本の景観にがっかりするけどね。
日本は、昔ながらの街並みを取り戻す形で、戦後、発展させて、より、ブラッシュアップした街並を作っていくはずだったと思う。
今、ボクには、それにもうちょっと貢献したかったという無念さがあるわけです。