お金の集め方


瀬尾さんとHMVでトークイベントがあって、
お客さんの前で、二人で喋った。

瀬尾さんのアルバムのキャンペーンに、
ボクが駆り出された形だ。

世間知らずのとぼけた若者役のボクと(といっても中年だけど)、
スーパーおじいさんとのトークは、
終始噛み合わず、
なんだかわかんない感じで終わった。
それは狙い通りなのでそれでいい。

瀬尾さんとのラジオは、
トークの噛み合わない空気から、
互いに生きている時代の差異を感じてもらうのが、
ひとつの狙いとしてやっているので、
それはそれでいい。

そのあとのはなし。

瀬尾さんと、レコード会社の
中島みゆきさん担当のスタッフたちとご飯を食べに行った。
そこで、話したことは、
イベントよりリアルで刺激的だった。

かつてバブルのころのはなし。

今聞けば、コンプライアンス違反の、
バカげた話のオンパレードだ。

かつて日本には、
一部の大きなお金を持ったヒトたちがじゃぶじゃぶと使い、
そのおこぼれに潤っていた飲食店やらがたくさんあって、
その中でヒトが育ったり、面白いものが育っていた。

しかし、お金の流れが変わったいま、
果たしてプロデューサーらは、
どうやって面白いことを企画し、
さらに実現するのか。

要約するとそういう話だった。

いまのボクたちにはWEBがある。
デジタルがある。
スマホがある。

かつてやれなかったことが、
らくらくとできるようになってる。

だから、悲観することはないと。

ただし、お金がないからやっぱり元気がないのだ。
世の中は変わりつつあるといっても、
まだまだ資本主義時代なのだ。

若いスタッフたちが、
「井川さんとうちでなんか面白いことをやりましょう」
と約束して別れた。

ボクはそれを真に受ける純粋なところがあるので、
エトワール・ヨシノやゲーテのような音楽イベントを、
若手の音楽家とレコード会社とで、実現させたいと思っている。

ただお金はない。

こうやればできるよ。
と具体的に示さないとみんなあとに続かない。
面白いことをやりたいですね。
というのはみんな思ってるけど、
社交辞令で終わってしまっている。

後ろに続くヒトたちのために、
お金の集めかたから考えなくちゃならないと思っている。

来週やるヨシノのリサイタルはガラガラらしい。
そりゃそうだ。
でも瀬尾さんはエトワール・ヨシノのために、
曲を書き下ろすと言ってる。

んー。


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