ゲーテ先生の音楽会を間近に控えて
毎月最終火曜日は「イカハゲ」こと「井川さんを励ます会」のイベントを開催しています。もともとは小説を執筆する井川さんを励ます目的でしたが、今では小説に限らず井川さんの活動を応援する会となっています。
今回は「ゲーテ先生の音楽会」が間近ということもあり、台本を読む会となりました。お食事は井川さんお手製の冷やし担々麺。今回のお芝居の中に、担々麺が登場するのにちなんだメニューです。そして、今回のタイトル「先生、お経を唱える」に関連して、般若心経のお話も。
台本を読みながら冷やし担々麺を食べて般若心経を知るという、こう書けばとりとめのない話題となりますが、ゲーテ先生を演じる増原さんも参加し、公演に向けてぐんと期待が高まるイベントとなりました。
公演前に台本を読むということ
そもそも、公演の前にお客さんが台本を読むということ自体、「???」と思うかもしれませんが、「ゲーテ先生の音楽会」では珍しいことではありません。台本には「決定稿」と書かれていますが、お稽古の間にもセリフや演出ががらりと変わることがありますし、なんなら公演中もお客さんの反応によって金曜日と土曜日と日曜日で大きく変化していくからです。
事前に台本を読んでおくと、目の前の舞台を見て「ああ、そうきたか」と感じることが増えるはず。そうすると、公演前に台本を読むことも楽しみの1つになるのです。
プロのお芝居や歌声を鑑賞するとき、そのチケット代は舞台を見る時間の価値しか含まれていないかもしれません。しかし、「ゲーテ先生の音楽会」は、その裏側や前後の制作過程も見てもらいながら、点ではなく線や面で体感ができるも魅力です。
今回のような「イカハゲ」のイベントで、FacebookやインスタグラムなどのSNSで、「Radio Sull’aria」のラジオ番組で、いろんな角度からゲーテの世界に触れることで、公演をより楽しめるようになっています。(公演後にこういった場で感想をシェアしたり、振り返ってのお話が聞けるのもファンにはうれしいですね!
「歌う」ことと「唄う」こと
前作でニューヨークデビューを果たしたゲーテ先生率いる「THE GOETHE」は、さらにメジャーになるため、バンド活動を続けています。
しかし、ビジネスの世界ではコンプライアンス順守が当たり前。契約違反には重大なペナルティが課せられます。自分たちの想いだけで勝手な行動をとることは許されないのです。
そんな世界で葛藤するゲーテ先生とバンドメンバーたちは、音楽で人を救うことと、音楽ビジネスで成功することの間で揺れ動きます。そして、1人の少女を目の前にし、THE GOETHEが導きだした答えとはーーー。
「歌う」ことと「唄う」ことの違い。読経は歌なのか歌ではないのかという疑問。前作から続く、音楽は誰のものかという問い。多くの登場人物の想いが交差するなかで物語は進みます。
ちなみに、今回はお経の代表格として般若心経が登場します。そして、般若心経は文章での意味の区切りと、読経の際の息継ぎのタイミングが異なるそうです。意味をたどりながら目で文面を読むことと、口に出す言葉の並びを覚えることにズレがあるというのは、丸暗記するにもハードルが高いですね。舞台の上で般若心経がどのように披露されるのか、とても気になります。
イエス、担々麺!
今回のお食事メニューは、冷やし担々麺でした。お芝居の中で何度か登場する担々麺を食べて、ちょっとだけゲーテの世界を先取りです。
井川さん曰く、世の中の担々麺(に限らず麺モノ)は麺の割合が多すぎるとのこと。前日に「イカハゲ本堂」のメッセージグループにもあったとおり、「世の中の一人前の麺は、実は多すぎる」ことを訴えるべく、昼間から仕込みを始めます。
そして、いよいよご対面、いえ、ご対麺です!
目の前のお皿には何種類もの具材が高く盛られ、麺はその中にすっぽり。冷やし担々麺と聞いて想像する絵とはちょっと違いますが、美しい色どりに食欲がそそられます。
箸を入れると、お皿の下には胡麻だれが。この盛り付けを崩してしまうのは惜しい気もしますが、ぐちゃっと混ぜるとピリ辛のひき肉とまろやかな胡麻、そして何種類もの具材と麺が絡み合いながら口の中で味が完成します。もう、箸が止まりません!
井川さんが振舞う食事を口にすると、心と身体が「おいしい」と感じるのはもちろん、「また食べたいな」と思います。
でも今、この空間でこの季節にこの人たちとこの話をしながら囲むテーブルは一期一会。もう一度井川さんの冷やし担々麺を食べることがあったとしても、きっと同じ味には二度と出会えないでしょう。だからこそ、この瞬間を大切に味わいます。
「ゲーテ先生の音楽会」も同じ。1つ1つの公演がお客さんと一緒に作り上げる一期一会の舞台。同じ演目であっても、同じ味わいではないのです。
今回の「イカハゲ」に参加した人は、「ゲーテ先生の音楽会」でこの冷やし担々麺の味が思い起こされることでしょう。そしてTHE GOETHEのみんなと一緒に叫ぶのです。合言葉は「イエス、担々麺!」。
9月6日から始まる「ゲーテ先生の音楽会 ~先生、お経を唱える」、どうぞご期待ください。
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