マメヒコのお客歴15年の酒井俊直さんとの対談です。
マメヒコの井川がやらんとしてることを誰よりも、
的確に理解していると自他ともに認める酒井さんです。
「いま飲食店は大変なことになっている」と
飲食店の今後、そんな話を酒井氏としています。
酒井氏もレストランにいたので、思うところがあるようです。
ニュースにもなってますけど、
実際、そりゃもう相当大変に決まってますよ。
だけど、
だけどですね。
それはそうなんだけども、
大変なのは、今に始まったことではないでしょう。
ごはん屋さんが、いわゆる飲食ビジネスとなってから、
いろんなことがおかしくて、
街の喫茶店が、カフェビジネスなんて言い出してからおかしいわけです。
だから流行病になって、急に大変大変と言ってるけど、
だから流行前に戻そうと言ってるヒトいうけど、
それはどうなの、違うんじゃないのとボクは思う。
ボクらマメヒコのスタッフは、ほんとによくよく、
よくよく働いてますよ。
朝も夜もね、土日も祝日も関係なくね、
年がら年中、休みなく働いて、
それでお給料がいいとかそういうんじゃないからね。
店というのはなにがあるかわからないから、
夜討ち朝駆け当たり前、
メインのスタッフは、みんなお店の近くに住んでます。
生活と商売の切り離しなんか、できるわけなくてね。
完全に一体化してますよ。
そんなのけしからん、とか言われたってね。
そうじゃないとやってけないんだっつーの。
それだけのこと。
だからオススメなんかしないよ。
もっと合理化できねーかなと、といつも考えてるけど、
合理化なんてしようがないよね。
機械化って言ったって、せいぜい食洗機を入れるくらいのことだよ。
すでにボクらは無駄な会議なんかひとつもしてないし、
徹底して無駄を省いてる。
アスリートみたいなもんだから、スリム化なんかできないよ。
うちのお店なんかはさ、
スタッフとお客さん、互いの信頼とか、
笑顔での接客、ありきみたいなもんで成り立ってるわけだからさ。
ずっと笑ってるなんて誰でもできることじゃないよ。
珈琲にしたってデザートにしたって、
すべて手作りでやってれば、そうとうな手間なんで、
とにかく一生懸命やるしかないのよ。
お店とは、そういうものだと感覚的に理解できるスタッフとだけやってきたのよ。
いまのマメヒコを良いと思ってなくて、いまよりもっとよくしていきたいんだ、
カフェの仕事に誇りを持って取り組んでいきたいんだというスタッフがうちには何人かいる。
それが失くなったら、ボクらはそのとき終わりで、
売上とかそういうことだけで成り立ってるわけじゃないんだよ。
ホントのこと言うと、うちだって、
あしたには閉店かもしれないわけよ。
お客さんいなければ店はやってけないわけだから。
でも、まぁ、そのときはそのときでね。
喜ばれなくなったらお終いなのは、いつの時代だってそう。
そういうものでしょ。
もしそうなったら、
ボクと一緒にやろうというヒトたちと、また新しいカフェを創ればいいだけだと思ってます。
今回の騒ぎで、飲食店はもう懲り懲りなんてボクは、そんな風には考えないわね。
それが本音です。