あなたは知らないだけで、
この世はほんとうに、ほんとうに危険でいっぱいなのよ。
だから、愛を込めて申し上げておきます。
あなたのことを心から愛しているワタシからの忠告です。
あなたは、飛んできた石に当たって死んじゃうかもしれないの。
だから石に当たらぬよう、常に上を見て、万全の注意を払い、
外に出かけるときは、傘を差し、ヘルメットを被って歩いてほしい。
いますぐ傘を差して。差さないなら外を歩かないで。
あら。自分だけは当たらないなんて、なんで言えるの?
お願いだから、あなたを心から愛するワタシを悲しませないで。
ワタシを信じて。
ヘルメットはしっかり被って。あご紐はきちんと閉めてね。
ヘルメットを被らないで歩くというのは、自殺行為。
ワタシを悲しませたいの?違うわよね。
おそらく、あなたは無知だから、
ヘルメットを被るのは、自分の身を守るためだろ、
そのくらいにしか思ってないでしょう。
それは間違っています。
あなたのその、子供っぽさ、身勝手さが、
ほかの善良な誰かを殺してしまう可能性があることを考えたことがある?
あなたの真似をしてヘルメットを被らない誰かが、
石に当たって死んでしまうと考えたことがある?
そうなったら、あなたは責任が取れるの?
いいかしら、よく聞いて。
とにかくあなたは、何も考えず、
その傘やヘルメットを被ればいい、それだけのこと。
このくらいはできるわよね。
いかなるときも自己判断はいけないの。
あなたは何も知らないのですから。
とにかく怖い石が落ちてくるのです。
今落ちてなくとも、すぐに落ちてくるかもしれないのです。
だから、1mmたりとも油断しないで。
とにかくほんとに怖いことが起こっているの。
有名な大学の博士やら研究者が本気で警告しているのです。
シロートのあなたは、頭を空っぽにして、
言ったことだけ守っていればいいの。
子供のあなたには世界がわからないのだから。
あなたのことを心から愛しているワタシからの忠告です。
明日笑っていたければ、今日は我慢する。
とにかく出歩かないで。
石は弱いあなためがけて飛んでくる。
ワタシはあなたの盾になりたいくらいよ。
「怖がらなくていんだよ、大したことなんて起きねーよ」
そんな馬鹿な連中とは付き合わないでね。
ましてや言うことを絶対に信じてはいけません。
馬鹿な連中は、いつだって無責任、
あなたのことなど微塵も心配してるわけじゃないの。
自分のことしか考えてない連中なのよ。
わかるでしょ。
そうやってあなたを油断させたがってるの。
彼らの目的は、あなたの頭に石を命中させること。
そして石に当たって死にそうなあなたを見て、
ハハハ、マヌケと笑いたがっているのよ。
あなたのことを心から愛しているワタシからの忠告です。
さぁ、ヘルメットを被り、傘を差し、空ばかり見て歩いてね。
誰があなたを愛しているのか、よーく胸に当てて考えてみて。
あなたを、誰が愛しているのか、ワタシの目をよーく見ればわかるわね。
どうか。どうか。
マヌケな連中に洗脳されないで。
どうか。どうか。
ワタシを泣かせるようなことはしないで。
そんなことしたら、ワタシ、絶対にあなたを許さない。
そんなことしたら、あなたの頭に石が当たって死ぬように呪ってやるからね。
フフフ。
ねっ。
フフフ。