マメヒコの井川とクルミドコーヒー、
胡桃堂喫茶店の
店主影山知明さんとの対談です。
(影山知明)
井川さんはぼくの人生を2008年~
あらぬ方向へと導いてくれた
張本人であります。
以来、井川さんとはよく会い、
よく話をしてきました。
一緒に話をした時間を集計するアプリでも
あったなら
ぼくの人生においては井川さんがダントツの1位。
その長さはもちろんですが
その中身の濃さ、気付きの多さ。
それは、井川さんが、自分とはまったく違う
タイプだからということも
大きく作用していると思います。
ゆえ、今の自分の大きな部分は
こうした井川さんとの関わりによって
できていると言って、過言ではありません。
例えば。
「貧しくたってヒトは幸せになれるんです。心持ち次第です」、
なんてボクたちは声高に、いつも健やかに言ってきましたが、
ほんとはお金がなければ、ろくな人生が待っていない、それが現実社会でしょう。
「法の外側にこそ幸せがあるんです。
法の内側に縛られることはない。好きなことをやって生きていけばいいっ」、
なんてボクたちは声高に、いつも健やかに言ってきましたが、
ほんとは法の内側に守られてる、寄らば大樹のほうが安全で楽な人生を送れる、
それが現実社会でしょう。
ボクたちの、青臭い会話を聞いてるヒトの中には、
こんな風に言うヒトがいるかも知れない。
「あいつらは、大層なホラ吹き野郎だ。
あいつらの言ってる甘い言葉に騙されるなよ。
夢を見るなよ。
騙されて泣きを見た可愛そうなやつを、
オレはたくさん知ってるぞ。
世の中甘くない。あんな風に生きていたら必ずしっぺ返しが来る。
大ボラ吹きを信じるな。
大ボラ吹きを信じるな」
ボクはその雑言に反論はしないし、ほんとにそうだよなー。
嘘つき野郎ね、たしかにそうねー、と思ったりします。
ただね。
ただですよ。
「目の前に見えてることだけを信じるんだ」
それもまたウソです。
そんなウソを信じていいんでしょうか。
あなたは目の前に見えていることだけを信じておられるとして、
では、あなたの人生に、希望はあるんでしょうか。
うむ。
そりゃそうでしょ。
希望なんてものはありませんわね。
だって、不確実性のなかに希望があるんですから。
うむ。
希望なんてなくても生きられる。
たしかに、たしかに。
あなたはそうでしょう。
けれど、少なくとも若い子たちはそれで平気ですかね。
食うものに困らなければ、希望なんてものがなくても平気でいられますか。
そりゃ子供の将来は、あなたのように、大して面白くもないただのおとな。
かもしれませんよ。
けれど、それはあなたはそうなんであって、子どもたちがみんな、
つまらないおとなになるとは限らないでしょう。
自分がつまらないおとなだからと言って、
「目の前に見えてることだけを信じるべきだ」、
「あいつらはウソつき」と非難するのは心外です。
ボクは少なくとも確信犯でウソをついている。
あなたのように、ほんとうは怖がりで、
だから希望なんかこの世にはないと、さもありなんとウソをつくおとなより、
よほどマシだとボクは思っていますが、さてどうなんでしょうか。