言外の領域
ボクは言葉というものを前から信用していません。
結局、何をやるにしてもそのヒトの人間性なわけでね。
ボクはいろんなヒトと交わりながら物を作るけど、やっぱり言外の領域ってあるなぁと思うんだよね。
ボクらはずっと前からマスクをしていない。強い主張があるわけではなく、特に必要ないでしょと思っている。
だから、これから新しいお店が出来て、新しいヒト達と関わることになるけど、「当日行ったら感染対策が杜撰だった。それなら使わなかったのに」という風に言われても嫌だなと思ったの。
じゃあ、どのように文言として提示できるのかと、スタッフと考えてみたんだよね。
すると、言葉にすると強すぎる、説明すると無粋である、という意見が出た。だから、基本的には曖昧にしておきたい、と。ボクも、説明すればするほど本質からズレていくと思った。
なので、結論としては敢えてそういう文言はHP等に提示しない事にしたんだよね。
昨日、たまたま京都のカレー屋さんに行ってね。カウンターが6席だけのお店だったから狭いなと思ったら、奥の個室に案内してくれた。
メニューを見ると、キーマカレーの一種類で辛口だけ。辛さを聞くと、お兄ちゃんの、説明になってない説明と、笑顔。店内に流れているパンクロック、YMOのポスター。最後にはお兄ちゃんが飴を持ってきてくれた。
そういうことトータルで、いい店だなと思った。言外の領域に刺さるものがいっぱいある。お客さん、店主、働いてるヒトがこの店を愛してる。それが得も言われぬ魅力になっていてね。
そういう店をボクは作りたい。これが言葉でいろいろ説明書きがあったら意味ないわけで、お兄ちゃんの接客全部含めてなんとも言えずに良かった。そういう事が、ありますね。