何度もお伝えしてますが、この秋にメンバーシップ制のカフェ、MAMEHICO福岡・糸島を開店させる準備のため福岡に通っています。
で。
それにともないましてですね、ボクが先頭立っておしゃべりをする「雑話会」なるものを、定期的に開催しているわけです。
目下は、MAMEHICOのHPでこっそり募集をかけているだけですので、たくさんは集まってませんが、これがその毎回、非常に面白いのです。
なにが面白いのかって?
イベントっていうのはたくさん集まれば、それはそれで面白いんですけど、少人数しか集まらなかったときは、「個別の参加者の素性が知れて面白い」というのは、ボクのイベント論です。
(立場としてはたくさんのメンバーに集まってもらわなきゃダメなんですけど)
さて、そんな雑話会でのはなし。
その日はどしゃ降りで、参加者が極端に少なかったにも関わらず、宮崎県出身の若い女性が飛び込みで初参加されました。
#雑話会に飛び込み参加って!!
どんだけ勇気ある女性かと思いましたが、いたって普通の可愛らしい女性。
動機を聞けば、「なんとなく面白そうだからのぞきに来た」という感じ。
こちらからは、とても好印象な方です。
雑話会では、「そもそも、なぜメンバーシップ制のカフェを始めたのか」、そして、「これからどうしていきたいのか」というはなしをボクは必ずします。
カフェの社会的な役割とは。
手垢のついた言葉ですが「サードプレイス」であることは役割の一つで間違いありません。
家でも、仕事場でもない、「自分の居場所」。
そこには自分と価値観の近いヒトたちが集まっていて、ゆえに安心感がある。
そこには言葉にはできない居心地の良さがある。
みんなでワイワイしてもよし。
一人でいても干渉されない時間も持てる。
カフェというのは、そんなあなたの「居場所」を作ってあげられる場所です。
そんなカフェ屋のボクにとっては、気になるニュースが新聞に掲載されてました。
それによると、社会的に孤立や孤独を感じているヒトが、最近、深刻なほど増えてるんだそうです。
コロナのとき、ボクたちカフェや居酒屋さんなどは、「不要不急ですよ」と烙印押されちゃいましたからね。
あんな無茶なことしたらね。
それは孤独社会まっしぐらなんじゃないの、と杞憂していたんです。
もっと言いたいことはありますが割愛します。
ニュースによりますと、わが政府はその、孤独対策の一つとしまして、「社会的処方」っていう政策を打ち出すらしい。
なんでも、イギリスの福祉制度、Social Prescribingを直訳したものだそうで、「望まない孤独や社会からの孤立は、自助努力に委ねられるべき問題ではない」から、コミュニティの力で孤独や孤立を対処しようと。
#あら、ボクたちの出番ですかな。
で。
その、コミュニティの必要性云々カンヌン話していたら、そのくだんの宮崎女性がこう漏らした。
「あの、先程からなんだか難しいことをおっしゃってて、わかったような、わかんないような感じなんですけど、、、」
「ああ、そりゃそうですよね、すいません」とボク。
「あの、メンバーシップ制のカフェっていうのは、とどのつまり、そのぉ、宮崎でいうところのスナックをイメージすればいんでしょうか」
なになに、聞いて驚いた。
どうも宮崎はスナック天国なんだそうだ。
宮崎県人なら誰でも、慣れ親しんだスナックがひとつやふたつあるのが普通で、利害関係のないママやマスターがカウンターの向こうから、「うん、うん」とはなしを聞いてくれるんだそうだ。
落ち込んでる日に出向けば、「あんたは、ほんとはすごい才能あるのよ」と慰めてくれたり、「それは甘ったれとる。もうちょい頑張りぃ」と励ましてくれたりもする。
人生の先輩は社会で生きていく術を若者に教え、人生の先輩はスマホの使い方を若者に教わる、とのことだった。
それも店に集るのは男も女も若きも老いも。
「そうなんですかぁ。東京ではスナックに行くという風習がないもんで」とボク。
「あらあら、それでは病んで当然ですね」と彼女。
雑話会。参加者のおはなしは、いちいち勉強になるので、やめられないのです。笑