神戸にヤマダストアーというスーパーがあってね。とにかく凄い！まず入口にお坊さんの絵があって、縁起観と書いてある。縁起観というのは仏教の言葉で、縁起が良い、私たちは一人で存在してませんよという意味。全てはご縁、関係性の中で成り立っていて、自分だけ良ければというのはいけませんよというのがこのヤマダストアーが掲げていることなわけ。
端々にその思想があってね。普通は入口にアルコールが置いてあるけど、ヤマダの考える消毒液、龍力というのがあってね。辰の年に龍の力というアルコールを置くというユーモア。スーパーなのにアルコールを置かないのは、うちはそういうことはしませんという強いメッセージになっちゃうけど、世間一般と横並びにあわせるんだけど茶化すという、それがヤマダストアーの凄いとこだよね。
それとか、もやしって、安いものの代名詞になってるけど、安くなりすぎて実際は零細農家はどんどん潰れちゃってる。だから、大手だけが生き残るような価格設定では売りません。２円生産者に渡すため、値上げしましたと書いてあったり。
また、お客様からの声で、「地元の和菓子屋さんの桜餅に着色料が入っていた。ヤマダさんらしからぬことでいかがなものでしょう？」というご意見に対して、ヤマダストアーの回答は、私たちは安全、安心な物だけを追求してるんじゃない。地元の慣れ親しんだ和菓子屋さんも、応援してるんだという哲学、思想が徹底している。安全安心ということも打ち出すし、地元の個人店も助けましょうと。非常に多様性を認めている。これも仏教思想で善も悪もない。善があるから悪もある。という考え方だよね。
要はそのバランスなんだということがこのヤマダストアーの陳列一つとっても徹底していて、店内の掃除が行き届いていることも、ポップに一貫性があるとかも、ヤマダという個人のヒトがやっている感じがすごくするよね。
更に、地元の商店街を応援するために、店内に写真と文字でちょっとした商店街を回っているような楽しみが演出されていたり、姫路のムッシュという喫茶店が存続できるように、ムッシュ監修の太いパスタを売ってる。パスタを自社で作って、監修費という形でヤマダからその喫茶店にお金が少し流れるようにしてるところも秀逸！
何から何までヤマダストアー凄い！