変わり続ける

MAMEHICOでは毎月1,000円の会費をいただいて、サブスクリプション型のコミュニティを運営しています。
もともと、街中のカフェだったカフエ マメヒコが、MAMEHICOという形でコミュニティを立ち上げることになった数年。
やってきて見えたことが、たくさんありました。
やるかやらないかなら、やってよかったなと思っています。

そもそも、コロナ禍でお客さんの足が遠のいてしまったことがきっかけです。
「いざとなったとき匿名のお客さんは当てにならない。
それよりも実名でつながっているお客さんとの関係を大事にするカフェにしていこう」、そう思ったのがスタートでした。

ただ。
サブスクコミュニティって、まだまだ一般的に、ハードルが高いと感じるヒトが多いのは間違いない。
店舗のスタッフからも「毎月1,000円いただくにあたり、どんなメリットを提示すればいいのか?」という質問がよくありました。

いただくからには、「ちゃんとした対価を示さなければ、お客さんに申し訳ない」という不安があったからでしょう。
そういう声に押されて、メンバー限定のクーポンを配ったり、特典を用意したりしたこともありました。

でも。
長年お客さんと接してきたボクの経験から感じているのは、メンバーが求めているのは必ずしも特典だけじゃないということ。
メンバーの多くは、MAMEHICOの独特な価値観や、日々の何気ないやり取りに共感してくれているのだから、それを守ることが1,000円の対価だと思っています。

MAMEHICOはカフェですから、「珈琲やデザートを楽しむ場」としても存在しています。
でも、それだけじゃなくて、店内で生まれる会話、お客さん同士のつながりが、コミュニティの核でしょう。

特典でコミュニティを維持しようとするのではなく、そこに集まるヒトたちの空気感が、「また来たい」と思わせるツボなんです。
ボクたちの空気感が合わないなら、特典があるからと、無理してメンバーになってもらっても互いによくない。ボクはそう思う。

ボクたちは、毎日、朝から夜までお店を開け続けています。
それは簡単なことではありません。
新しくはじめた銀座や神戸、桐生のお店は、とにかく店を開け続けようとやってきました。

店を開ければ、毎日のお掃除、花の入れ替え、数々の仕込みがあります。
スタッフが体調を崩す日もある。
お客さんがまったく来ない日もある。
それでも、店は開け続けようとやってきたんです。
ボクたちのような小さなお店は、それだけでも大変なことなんです。

でも店を開けていれば、店が誰かの日常の一部になる。
ふらっと訪れた時に感じる何気ない会話やつながりが、MAMEHICOの価値なんだと思ってもらえるかもしれない。
そう信じて続けているんです。

とはいえ、経営的には課題しかありませんよ。
いまのままでは、すぐにだめになるでしょう。
コロナ禍で古参のスタッフが辞めて、新しいスタッフが加わりました。
新しいスタッフは価値観の近いヒトが集まりました。
けれど仕事ですから、価値観が近いだけでもうまくいくわけではないわけです。

ときに急かしたり、ときにのんびりと放っておいたりしながら、試行錯誤でできた新しいチームも、次のステップに進まなくてはいけません。

今、メニューや営業時間の見直しを進めています。
コロナ禍では、シンプルなメニューでスタッフの負担を軽減することを優先してきましたが、これからはしっかりとカフェの魅力を出していきたいとも思っています。
これまで積み重ねてきた手間暇かけたメニューを、きちんと提供して、楽しんでもらえるようにしたい。

MAMEHICOが目指しているのは、ただのカフェではなく、価値観を共有するヒトたちが集まって、互いに影響し合いながら進化できる場所づくりです。

さあ、これからまた、新しいスタートです。
ぜひ期待していてください。 

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