ようこそ、みなさま、喫茶エトワールへ。私は女主人のエトワール★ヨシノでございます。
ハマヨコでトーサンコ。こんなにも、大勢のお客様にお越しいただき、今夜も感謝感激あめあられでございます。ありがとう。
えー、私、自分をシャンソニエ、詩人だと自負しております。
ですから、音楽的なかっこよさを競うんではなくて、歌をどのように解釈し、そして、自分の表現で聞き手に伝える。そこが肝心だと思っています。
つまり、私にとって歌は、なにより歌詞が大事なんですね。

1, ヨシノは水色 〜 ブルーのコスモス(メドレー)

作詞 エトワール★ヨシノ  作曲 アンドレ・ポップ、エトワール★ヨシノ

青いヨシノ
青すぎるヨシノ
カップにヨシノ
飲み干したらヨシノ

青いヨシノ
明け方にヨシノ
枕元に 立ってるのはヨシノ

ヨシノー(ヨシノ)
怖いね
宙に浮かんでる

★★★

風にブルーのコスモス
青空向かって 胸の奥が苦しい(ヨシノ)

いつか素直になりたい
ほんとの気持ちを 知ってほしくて
淡いなみだの恋心
わたし ブルーのコスモス

★★★

青いヨシノ
お茶請けにヨシノ
そっこも ここも
ヨシノで家がいっぱい

2, アゲハ

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

学校を休んだ日の朝に
いつもの公園
こっそり靴を履き 向かった
雨もあけて
止まってたしずかなブランコの
下の水たまりは
鏡のようだね アゲハが映った
空が見え 雲の切れ間から
幾筋も光が差し込む
アゲハ どこにいるの
立ち上がる 土の匂い

忘れたくなくて また来たんだ
大人になったボクは
冷たい鉄棒 温かい手 なじんでく
嬉しくて 悲しみの複雑
アゲハのはばたく羽
すべては移ろい
瑠璃色 まぼろし
弧を描く眩しいブランコ
にぎやかな いつもの公園
アゲハが消えた あの日
あと戻りできない

空が見え 雲の切れ間から
幾筋も光が差し込む
それが見えた奇跡
立ち上がる 土の匂い
立ち上がる 土の匂い

3,コロッケの呪い

作詞 エトワール★ヨシノ  作曲 クロード・モルガン

ダメよあなた
何を食べたいの
コロッケを頼むなら 頼むと言って
ダメよあなた
何を食べたいの
突然来てあれこれ
言われても
芋を茹でて 皮むき
ひき肉と混ぜて味付け丸め
卵といて 衣つけて

ダメよあなた
何を食べたいの
豆腐を頼むなら
頼むと言って
ネギをきざみ 細かく
たれと混ぜてからめ
生姜そえて
大葉しいて
ごまをすってかけて

ダメよあなた
コロッケを頼んで
いつでも揚げられる ようにしてたの
揚げずにあるコロッケ
食べずに捨てるわ
捨てるの
捨てた日々を
あなたわかる?
わからないわ
気持ち
わからないの
店を閉めた
コロッケの呪い

4,グレーのカナリヤ

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

ママほど子供愛してる
親はいないのよ感謝しな
口ぐせが刺さる赤く
ワタシは鳴けないカナリヤ

あんなに金をかけたのに
数字が低い恥ずかしい
涙は夕暮れに注ぐ
ワタシに穴が開いた音

おまえはバカでのろまなんだ
走れ 急げ 出し抜け
月夜は星が見えない
ワタシを襲うリフレイン

hell
死ねと言いたくて
hell
やめてと泣きたくて
hell
抱いて愛して
help
グレーのカナリヤ

風はコンクリの川を抜け
頑張る認めてください
灰色の羽は散り散りに
舞うわ ため息のカナリヤ

通り雨は路(みち)を洗い
耐える 褒めてください
限界は限界を超え
空と空を 比べる

hell
うぜぇと言いたくて
hell
消えてと嘆きたい
hell
ほんとは笑いたい
help
グレーのカナリヤ

誰のおかげで食えてる?
誰に 似たのよブスな顔?
だったら稼ぐね 泡あわの金
そして買います 望む顔

正しさだけが正解
あなたも哀れなヒトだと
ワタシわかったの我慢した
歪んだ愛だけ信じて

hell
死ねと言えなくて
hell
やめてと泣けなくて
hell
抱いて愛して
help
グレーのカナリヤ

鳴けよ生きろカナリヤよ
愛を捨てて飛び立てよ

heaven
あなたの空よ
heaven
自由な命
heaven
聞こえる鼓動
heaven
黄色い愛の歌
ラララララララララ

5,BBQ

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

つかないの?(つかないのー?)
まだやってるの?(まだやってるの?)
パパなのよ(パパなのよ)
火を起こすヒト

お客も(お客も)
肉も野菜も(肉も野菜も)
待ちぼうけ(待ちぼうけ)
気まずい時間

古い炭は湿気っていたの
やっぱ買えばよかったのよ

兎にも角にもね
火が起こらないと
なにもできない
BBQ(ビービーキュー)

生焼けよ(生焼けよー)
もっと焼いてよ(もっと焼いてよ)
燃えてる(燃えてる)
焦げてる苦い

子供が(子供が)
眠たそうだわ(眠たそうだわ)
お客も(お客も)
帰りたそうね

座る(アー)
テーブルが高すぎる
軽い(アー)
ものは全部飛んでく

兎にも角にもね
楽しくなければ(アー)
無言の片付け
BBQ(ビービーキュー)

あなたを責める(イライラシテ)
わたしは未熟だね (ヤツアタリヨ)
思いやりさえ(ヤサシスギル)
忘れてしまうの(アマエチャウノ)

だからごめんね (ユルシテ)
なおしたいの(ホントヨ)
だからずっと(ダレヨリ)
仲良くいさせて(パパガダイスキー)

古い炭は買い替えとこう
椅子も
いいやつ探してみよう

兎にも角にもね
思いやる気持ち
みんなで持ち寄ろう
BBQ(ビービーキュー)
みんなで仲良く
BBQ(ビービーキュー)

6,ゆび

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

醜い自分を嘆いたら
あなたのゆびが ワタシに触れた
白くて柔らかな あなたのゆびに
ワタシは救われた
いま朝の木立にかすみ
斜光の中であなたは
水流にゆびを浸し
きらめく水を掬ってその十本のゆびが
口元を濡らす
親ゆび 人指ゆび
中ゆび 薬ゆび
指切りするため 合図の小ゆび
ひとつ ひとつ ひとつ

幼稚な嘘につまずいた
あなたのゆびは 油に汚れ
太い節くれの あなたのゆびに
ワタシは救われた
夕暮れの空は紅の雲と
ともしびあなたは紙きれに 火を点けて
枯れ葉に移る めらめらとその十本の
ゆびが火照っている
親ゆび 人指ゆび
中ゆび 薬ゆび
指切りするため 合図のこゆび
ひとつ ひとつ ひとつ

いま朝の木立にかすみ
斜光の中であなたは
水流にゆびを浸し
きらめく水を掬ってその
十本のゆびが口元を濡らす

7,極夜

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

ふるい レコードに
落とす針 さあ
ピアノが 泣く
冬の部屋
白い街 ポロシャ

あの頃 二人若く
吹雪に 迷い別れ

遠く鈴音 トロイカ
夢の中をひとり極夜

いまもレコードは
捨てられずさあ
あんな出会い
二度と無い
薪燃えるペチカ

さよなら告げた夜が
いまもつづいているの
明けない夜があると
知らなかったひとり極夜

これから生きる日々に
朝日が上らずとも
思い出とだけ暮らしてく
ひとり極夜

8,なんだかなの唄

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

いつも世間は忖度します。
本音は言わない なんだーかなー
とどのつまりは 他人事なんです。
不真面目なんです。なんだーかな

いつも多勢は考えません。
言われるがままの なんだーかな
とどのつまりは お花畑です。
心配するだけ。疲れーます。

いつも社会はチグハグなんです。
矛盾ばかりです なんだーかなー
とどのつまりは 依存気質です。
人任せなすりあい、不安です。

いつもテレビは嘘ばかりです。
ホントの顔して なんだーかなー
とどのつまりは 金儲けなんでしょ。
真に受けたヒトがバカ見ます。

世の中はやるせない
ほーれ、スッタラモンダラさ
飯食っちゃ寝
風呂入っちゃ寝
ほーれ、忘れホンダラさ

なんだかなー
忘れましょう
なんだかなー
ホンダラサー
なんだかなー
ホンダラサー

9,いつもの暮らし

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

君を教えて
影を踏ませて
貝殻拾い走る
二人の裸足

水を飲みたい
星を眺めたい
寝息を聴いて
眠りたい
君を触りたい

あの丘に上って
上から街を
見おろし息を吸い
そして希望叫ぶ

辛くて切なく
見失った日も
怒ったり泣いた日さえ
いまは愛しい

遠くの星見て
近くの瞳
春が来て
花が散る
いつもの暮らし

辛くて切なく
見失った日も
怒ったり泣いた日さえ
いまは愛しい

遠くの星見て
近くの瞳
春が来て
花が散る
いつもの暮らし

10,真実

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

わたし残し
あなたは逝く
子供がいて
孫までいる

真実
二人の歳月

小さくなって
煙となり
時計はただ
止まっている

真実
二人の歳月

五十二歳を重ねて
憎まれ
憎んだ日常
二人は正しかったの
それとも

いまは空っぽ
あなたがいない
この世は空っぽ
それが真実

夜中覚めて
寝息もせず
気がついた
独りだと
初めて
ほんとの涙

あなたが老い
私も老い
二人とぼけて
会話もなく

真実
二人の歳月

五十二歳を重ねて
子供と
遊んだ日々も
二人は正しかったの
それとも 

いまは空っぽ
あなたがいない
この世は空っぽ
それが真実

たった一度の
稲妻のような
恋をした二人
真実は歳月

五十二歳を重ねて
憎まれ
憎んだ日常
二人は正しかったの
それとも

いまは空っぽ
あなたがいない
この世は空っぽ
それが真実

11,ミツバチ

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

海辺ちかい カフェテラス
白いバラが 甘く匂う
窓辺二人 クラスメイト
呼び出された 「彼は死んだよ」

上の空の ワタシ覗き
「だいじょうぶ?」と気を使う
いつの間にか ほっとして
彼の不幸 味わってる

「昔の彼だわ。
忘れてた くらいよ」
嘘つく ワタシ
あれから 傷つき
彷徨った 惨めな長い日

愛した彼が死んだこと
甘くとろけたの 蜜の味
本当はふたりでいたかった
ねじれた ミツバチ

騒ぐ羽音 カーテンの陰
白いレース 風に踊る
迷いこんだ 黄色と黒の
周り見えず もがいていた

忘れようと 無理をしたの
だけどできない カレの匂い
悔しかった 努力もした
だけど 何も変われなかった

「良いやつほど早い」
クラスメイトつぶやく
「罰があたったのよ」
嘘ぶき 針刺す
自分に刺さった苦しい

あんなに 愛してくれたね
だけど いつも不安だった
別れて 悔やんだ長い日
愚かな ミツバチ

悪意のない 白い歯を見せて
笑い転げた日々 思い出すのよ
感情はコントロールできても
湧きだす想いは 止められない

感情はコントロールできても
湧きだす想いは 止められない

12,愛のつぼ焼き

作詞 エトワール★ヨシノ 作曲 マルグリット・モノー

いつも こんなことを考えているのよ
あなたがいるその
真っ青なお空にむかって
わたしは「だーれだ」って
腹の底から叫ぶの
するとあなたは その優しい笑顔で
「誰だろ もしかしてヨっちゃん?」
ってはにかんだりする
あなたが大好きだった
江の島の堤防の屋台の
そのつぼ焼きを私に差し出して
「ヨっちゃん指先が熱いよ あっち」
って耳たぶをつかむわね
そんな あなたに会いたい

あなたの熱い手で
あたしに食べさせて
ララふたりだけの
愛のつぼ焼き
魂が叫ぶのよ
熱いつゆがくちびる
もいちど二人は
肩寄せターバンシエール

バンドネオンに 灯がともる
聞こえるムジカ
フラフラフラリン
テケテケピョンピョン
踊りましょうよ
踊りましょうよ
あなたとふたり ムジカに合わせ
体引きよせ 浜辺にひとり
ふたりはターバントワイライト

あなたの熱い手で
あたしを引き寄せて
ララふたりだけの 愛のつぼ焼き
魂が叫ぶのよ
熱く濡れるくちづけ
もいちど二人は
肩寄せターバンシエール

13,亡き空に、オロール

作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

月あかり プラチナ町
とおくに濤聲(とうせい)
聞こえてる 父は遥か
眠るよ どこかで

話したい 独り口
窓ガラス 雪曇り
忘れない 父は遥か
眠るよ しずかに

朝も夜も星も
ループは幾重にも
紙縒り(こより)を紡いでゆく
アパートの階段 乾いた足音
書きかけの手紙 破き
見ていてほしい
亡き空に オロール

エメラルド コバルト町
にぎやかなオロール
ありがとう 父は遥か
眠るよ どこかで
話したい これからを
マグカップ ミルクティ
懐かしい 父は遥か
眠るよ しずかに

朝も夜も星も
ループは幾重にも
使命はつながってく
針落とすレコード 鳴いてるオルガン
笑顔の写真ラララ
見ていてほしい
亡き空に オロール

天に瞬く オロールの下で
父よ話したい
父よ会いたい
森羅万象 享けた魂
挫けずに 道を生きる

天に瞬く オロールの下で
父よ話したい
父よ会いたい
森羅万象 享けた魂
挫けずに 道を生きる