亡き空に、オロール Talking with my father
作詞・作曲 エトワール★ヨシノ

月あかり プラチナ町
とおくに濤聲(とうせい)
聞こえてる 父は遥か
眠るよ どこかで

話したい 独り口
窓ガラス 雪曇り
忘れない 父は遥か
眠るよ しずかに

朝も夜も星も
ループは幾重にも
紙縒り(こより)を紡いでゆく
アパートの階段 乾いた足音
書きかけの手紙 破き
見ていてほしい
亡き空に オロール

エメラルド コバルト町
にぎやかなオロール
ありがとう 父は遥か
眠るよ どこかで
話したい これからを
マグカップ ミルクティ
懐かしい 父は遥か
眠るよ しずかに

朝も夜も星も
ループは幾重にも
使命はつながってく
針落とすレコード 鳴いてるオルガン
笑顔の写真ラララ
見ていてほしい
亡き空に オロール

天に瞬く オロールの下で
父よ話したい
父よ会いたい
森羅万象 享けた魂
挫けずに 道を生きる

天に瞬く オロールの下で
父よ話したい
父よ会いたい
森羅万象 享けた魂
挫けずに 道を生きる




【ヨシノからの言葉】

おとうちゃんとママは、横浜の元町あたりで小さな喫茶店をやっていて。
アタシはそこで育ったの。
港で働くヒトを相手にした喫茶店でね。
珈琲をサイフォンで淹れて、一杯200円て、そんな店だったのよ。
お酒は出さないの。
それはおとうちゃんが下戸って言うこともあったけど、
ホント言えば、ママが酔ったお客にモテるのが嫌だったのね。
おとうちゃんは、あれで案外ヤキモチ焼きだったから。

あのおとうちゃんに、なんでこんな美人が嫁に!?って横浜の七不思議の一つだったからね。
ママは、映画女優にならないかって、プロデューサーにしょっちゅう口説かれる美人だったからね。
ママの肌は真っ白で、ほんと白菊みたいにきれいだった。
あたし?フフ、あたしはザンネン。
おとうちゃん似よ。
見りゃわかるでしょ(怒)

店はね、忙しかったのよ。
あさは6:30に港湾のヒトが入ってくる。
夜は酔った後のお客が、コーヒーを飲みに来たわ。
私もずっと手伝わされたわよ。
人雇う余裕なんかないもの。
勉強なんかする暇ないの。
小学生の時から紙ナプキンを折ったり、パンをスライスしたりね。
当時は出前というのもあったから、近くの会社にアイスコーヒーなんかを自転車で届けたりするのよ。
ラーメン屋のおかもちに、アイスコーヒー入れてね。
クリームソーダなんてアイスが溶けたら怒られるから必死よ(笑)。

家族はもうずっと仕事。
家族で、のんびりするなんてなかったわよ。
運動会のときも親は見に来れないから、校長先生の横でゴザひいてお弁当だった。
想い出と言ったらね。
歓楽街のボーリングに行くこと。
何年かに一度、台風が上陸するでしょ。
すると港湾は封鎖になるから、そうすると店開けてても誰も来ないの。
そんなときは、おとうちゃんが、「いくぞ」ってボソって言う。
ハマボールは夜中までやってたから、そこに店を早閉めしてタクシーで行くのよ。
ママは、「2ゲームで帰るわよ、今日はなんにも稼いでないんだから」、って何度も言ったわ。
タクシーの窓から見える、ネオンの光景は今でも忘れないわ。
嵐で誰も歩いてないネオン街は、私たち家族のものになったような気分だった。
でも決まってね、ボーリング場に行くと、知り合いのお客さんがいるのよ。
酔っぱらって美人のママに絡んできたりしてね。
それで、酔っぱらいのオヤジたちとボーリングすることになるのよ。
せっかく家族水入らずだったのに、結局、店にいるときとおんなじ。
おとうちゃんもママもお客さんの前では、よそ行きの顔になるから。
それが寂しかった。

最期、おとうちゃんは、あっけなく死んじゃった。
それが後悔と言えば後悔ね。
おとうちゃんとは、もっといろんなはなしをゆっくりしたかった。
いまでもそう思うわよ。

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