おとといから台湾に来てる。
暑いねしかし。 ニューヨークも暑いと思ったけど
はるかに蒸し暑い。
台北では芝居の小道具を買ったり、
芝居に使う資料映像を撮ったり。
台北に228記念館というのがあります。
台湾は1945年まで日本の植民地でした。
けれど戦争が終わり、日本は負け台湾の統治は
日本から中国の国民党に変わりました。
この国民党のやりかたは日本の統治とは違ったため
台湾国民の反発を招きました。
反発した国民に国民党政府は制裁を加え二万とも
いわれる人が残酷な手口で殺されました。
1947年の2/28に起きた暴動がきっかけになったので、
のちに228事件といわれその記念館が台北にあるのです。
で、その時代を背景にした話しを芝居で書いたので
今回記念館に来たのです。
ボランティアで解説をしてくれた82歳の老人は
流暢な日本語を使いながら、事件の悲惨さを
ボクに訴えました。
彼は命こそ助かったものの事件に巻き込まれた
当事者でした。
「60年こうして話すことすら許されませんでした。
私の人生はみじめといわれればみじめでしょう。
ただ私はまだ自分を日本人だと思っています。
若い同胞であるあなたに会えこうして話しができる。
それがどれだけ嬉しいことか」。
閑散とした記念館で彼は穏やかに怒るように
語ったのでした。
西に山がありその麓の村に住んでいたから
西村という名前にしたんだよと
昨日のことのように話しました。
きっとたぶん。
西村少年は悔しい思いを胸にしまいながら
かつてのクラスメート、先生をボクに見たんだと思う。
あしたは阿里山にいきます。