シリーズ 『おやつが好き』3

井川「クルミドとマメヒコのスタッフにおやつについて今日も聞いていきますよ。
母の愛情がおやつには込められているという話しでした。ではあなた」

「わたしが子供のころは、
スナック菓子や駄菓子は遠足のときやお正月に。
普段は母の手作りおやつでした。

・マクドナルドのアップルパイを真似たもの
・大学イモ
・アイスクリーム
・おまんじゅう
・ドーナツ
・白玉あんみつ
・旬の果物

おまんじゅうは、近所に「よもぎ」をとりにいき、
親子でつくるのが楽しくて好きでした。

我が家は私と弟の二人兄弟で。
とくに私は女の子ということで「味の違いがわかる子になるように」と。

たとえばケーキなら、

お母さんの手作り、
不二家、
コージコーナー、
高めの素敵なケーキ屋さん、
といろんな種類を食べさせてくれました。

それは食事や飲みものもそうで、ダシは

カツオぶし、
昆布、
干しシイタケからそれぞれとったものを。

ご飯はお米屋さんで精米したものを。

珈琲、紅茶、お茶も豆や茶葉からの香りの良いものを。

インスタントを食べるときもありますが、
インスタントとの違いをわかるようにしてくれました。

本物をわかっていて、インスタントも使う。

おやつも、手作りのものとスナック菓子と駄菓子を
シチュエーションに合わせて食べわけていたのは母のせいです。

余談ですけど、友達の中でも使いわけがあって(笑)。

あゆみちゃんの家に遊びに行くと明治製菓のお菓子、
お父さんが明治製菓の社員だったんです、
ミカちゃんの家は高校生のお兄ちゃんがいるからスナック菓子がメイン、
私の家は手作りおやつ。

おうちによって、おやつもさまざまで楽しかったのを覚えています。

あと、父と休日にカフェでケーキと紅茶を食べながら話をするのが好きでした。
クルミドコーヒーに父と娘で来るお客様を見ると、そのときのことを思い出します」

井川「えぇ話しやないの。
それぞれの味の違いが分かるようにと、食べ比べさせる。
自分が色んなもの食べたかったというのもあるかもしれませんけど。
でも、すばらしいお母さんですね。
こういうお母さんに育てられたっていうのはね。
一本筋が通ってる。ほかにそういうのあるひと?あなたはどう?」

「あんまり思いつかなかいんですけど。

うちのおやつとして、
手作りで記憶に残ってるのは
夏にたまーに作ってくれたみかんゼリーで、
缶詰みかんを寒天でかためたもの。
タッパーにどーんと作り、
ダイナミックに食べた記憶があります。

それより、おやつというわけではないんですけど・・・」

井川「いいよ。おやつの話しじゃなくても

「年に何度かね。
ヨモギ汁。
公園でつんだヨモギをすり鉢ですって絞った汁を
飲まされました」

「えーっ」

「フフフ。それがすごく苦くて大嫌いだったんですけど、
それを飲むと母が、『飴玉』をくれて。

なんてことない、普通の飴玉なんだけど
その時になめる飴玉がものすごく美味しかったのを憶えています。

ヨモギ汁は、今でも弟ともよく話す思い出ばなしです」

「あんたも、えぇ話し持ってるやないの。
なぜ唐突に公園にヨモギ汁を飲ませたのか、ぜんぜん分からないですけど。
でもたしかに親ってそういうとこあるよね。
体にいいと思って、いいから飲めってね。

でもそういう強引さは、それなりに子どもの楽しい思い出として残る。
子ども本意じゃなくていんだよね親は。

ヨモギ汁が苦いから、そのあとの飴玉が甘くておいしかった。

確かにそれに勝るおやつはないような気さえするな。
ほかには?はい。あなたは?」

Archive
カテゴリー