ボクは音楽プロデューサーの瀬尾一三さんと、『ラジオ瀬尾さん』を継続しています。毎週一回の更新で、先日100回を超えました。パチパチパチ。かれこれ、二年近くもラジオをやっているんですね。
SEO vol.105 かぐや姫「妹」
さて、その瀬尾一三さん。音楽プロデューサーでアレンジャーでもありますが、その名前は知らなくても、手がけた曲、どれ一つも知らないわ、というヒトは、おそらく日本ではいないと思います。
浮き沈みの激しい音楽業界で、まさに「実績の塊」、「息をする歌謡史」みたいなおじさんです。
昭和、平成、令和、日本の音楽シーンを走り続けて、さらに今持ってバリバリの現役なんですから、すごいですね、しかありません。
そんな瀬尾さんは、ボクやマメヒコと損得なく二年近くも付き合ってくださってるんですから、奇特なかたです。
(一緒にラジオやりましょう、これからもずっと続けましょうよとせがんでいるボクもボクですごいですケド)
昨日も『ラジオ瀬尾さん』の収録だったんですが、話の流れでマズローの欲求階層説の話になりました。
マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求を5段階の階層で理論化したもので、一番下の階層の「生理的欲求」からはじまり、「安全の欲求」「社会的欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」 というように、人間の欲求は、下位の低次の欲求が満たされると、上位の高次の欲求へ上がっていくという説。
まぁ、マズローの詳細はどなたか詳しいかたに任せるとして、ボクはラジオで瀬尾さんとこんな会話になったんです。
「瀬尾さん、そして中島さん。お二方は、もうそれはそれは。
誰もが認める自己実現を体現された稀有な存在ですよね。
マズローのピラミッドの高次元のトップにおられる。世の多くのみなさんは、お二方を憧れの目で見ていると思います。
才能や運まかせではなく、大変なご苦労をなさって実現されているのも、ボクのつたない想像でしかありませんが承知しています。
そんな瀬尾さんに、ひとつお尋ねしたいことがある。
ボクを含めて、多くのみんなは、階層のトップである『自己実現の欲求』なんてそんな高い要求ではないところでオロオロしている。
昭和の戦中戦後の混乱期に比べれば、『生理的欲求』、『安全欲求』は満たされたことは間違いありません。
ほんとに恵まれた良い時代になりました。でもです。ボクの周りには、ボクも含めてオロオロしているヒトがいます。
テクノロジーのおかげで確かに便利で豊かな生活は遅れるようになりましたが、その副作用といいますか、居場所がない、そう感じているヒトは、とても多くなってきているんじゃないか。
ボクはそんな風に感じています。『社会的欲求』が満たされていないという。
『君はここに居ていんだよ』
そう感じることは、どんどん少なくなってるんじゃないでしょうか?地域においても、職場においても、家族においてもです。
一方で『承認欲求』は爆発してますよね。承認欲求モンスターじゃないかと思うヒトも増えています」
「何が言いたいんだ」
「あっ、いや、ですからね。マズローの説によれば、『社会的欲求』の次の『承認欲求』が来るとされています。幼稚な邪推だと叱られるかもしれませんがね、居場所が見当たらないことと、承認欲求が加速していることは、繋がっていると考えられませんかね。
SNSが流行っている背景として。『居場所がないの、だからこんな私を認めてーーー』」
などと、つらつらと生意気なことを申しました、わたくし。そうしましたらですね、瀬尾さん。
呆れた顔で、ムニャムニャとこうおっしゃったんですね。
「寂しいわけ。それは人間関係の距離感を読めないからだ。人間をよく観察し、相手との距離を取る。近づきすぎず、離れすぎず。
それが長く人間と付き合うコツだ。
それがちっともわかんねーから、居場所がないとか、寂しいとかなってるんだ」。
んーーー。です。
はーーー。ですよ。
なかなか、むつかしいことでございます。
「お前はいつも余計なことを考えてるから、まったくダメなんだ」とまでは言われませんでしたが、呆れた顔をされてました。
4/13、14は、エトワール★ヨシノのライブです。
瀬尾さん作曲・編曲の歌「コメディエンヌ」、ヨシノが歌います。お席まだあります。ぜひ。