先日、井川さんの過去の企画や作品で感じた印象を伺うアンケートを実施しました。ご回答いただいた方、ありがとうございます。
アンケートの最後に、井川さんの作品の印象を自由に書く欄がありまして、こちらにたくさんのコメントが寄せられました。その一部を、井川さんのお返事とともにご紹介します。
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井川さんの作品の中で私が最初に出会ったのは、カフエマメヒコ三軒茶屋店でした。入った瞬間、タダゴトじゃないことはわかりました。さらに私の中でタダゴトじゃなかったのは、マメヒコパートIIIです。あの空間にいたあの時間は夢かと思うほど、今でも記憶の中で現実と乖離しています。どちらのお店も空間の隅々にまで、それはそれは丁寧に、思いが宿っているのがわかりました。それはもう、人の気配そのものみたい。井川さんのつくるものは、それが空間であっても舞台であっても、「生きてる」。そんな印象が強くあります。※アンケートは、ほっとくと全部チェックを入れてしまいそうだったので、各項目2つまでと決めて回答しました(が、どうしてもダメなところもありました。。)よろしくお願いいたします。
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マメヒコパートIIIは、ボクも、古くからいるスタッフにとって、とても印象にのこっているお店です。 クルミドコーヒーを作ったあと、自分も作品になるようなお店を作りたかったんだと思います。 エゾマツで作ったレンガを一枚ずつ気が遠くなるまで、組んだ店内の壁。そこに、純喫茶、パン工房、とんかつ屋を入れたお店でした。 あのときボクとマメヒコに起きた幸運と不運が、映画になったり、演劇になったりしているんです。 ずっと応援ありがとうございます。
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こんなに多くの作品!とても選べませんでしたがアンケートとのことなので、心を鬼にして回答しました。 すごい。天才すぎる。もっと皆に知ってほしい。(私が言うとさらに薄っぺらくなるような語彙力ですみません!) それを支えるスタッフとお客さんも、すごいなーといつも思います。 作品とはまた違う話ですが…今でも印象に残っているのは、やはり第一印象かな。 半分こわいもの見たさの好奇心で、なにも知らず初めて映画監督トークに参加したとき「ボク何でも知ってるから、何でも聞いて。どんなテーマでも話せるよ。」と言ってて“なにこのキョーレツな人。いきなり上から?ちょーウケる”と思い聞いていたら、本当にお話とても面白くてすっかりハマってしまいました。
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「それを支えるスタッフとお客さんも、すごいなーといつも思います」 すごいですよね。 いつも新しいことをしたいので、なにをするかきちんと説明もしません。 自分もどうなるか分かっていないので。結末のない冒険に付き合えないとダメですよね。 ほんとにね、いつも心底ピンチです。 「あぁ、これにてボクの人生は終わった」 そう思います。マメヒコだって多額の借金を返済しながら、なんとか回してるんですから。 しぶとく回してると、支えてくれる人がいるものです。 ありがたいです。
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お客さまやサービスの受け手にも ある種人間的な質を求めるプレッシャーがあり、 かつイーブンで、世の中は生身の人同士なんだと気付かされます。 そして、思い切って近づけない、そんな遠巻きの人達の心にも届く、厳しさと温かさの同居を魅力に思います。 今の世の中、感情を持て余してしまうことがありますが、 そんな人情とか感情の落とし所を見つけたような、 正しい位置に戻って来たような、 そんな体験をいただいていることを印象深く感じています。
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そうですか。そこまで気づいてくださいましたか。それは、とても嬉しいです。 ある種人間的な質を求めるプレッシャーがあり、 かつイーブン、 はい、そういうプレッシャーをボクは周りに与えているし、 与える以上自分にも課しています。 自由を獲得するためには、ある種の痛みは伴うものだと思っています。 no pain,no gainです。 これは、ボク自身が9.11のニューヨークでテロを直接体験したことが、 大きく自分に影響していると思います。 誰とでも仲良く、誰にでも好かれるなんて世界が、 あるでしょうか。 善悪と因果が、はっきりしないのが世界ですし、 世界などと大袈裟な言い方をしなくとも、 ボクラの日常だってそんなものじゃないでしょうか。 大嫌いと感じている人間と親子や夫婦であったりするのが当然ですし、 尊敬していますという言葉の裏には、 同じほど軽蔑していたりもするものです。 そんなに嫌いなんだったら離れればいいじゃないか、 分かっていても、 なかなか割り切れない。 そういう人間にこそ、ボクは多くの共感があります。 かといってボク自身が優しくて寛大などということはない。 容赦なくヒトをたたき斬ったりしている。 甘ったるい女子供は大嫌いだし、 馴れ合いの仕事関係は気持ち悪いと思っています。 ある側面では矛盾しているかもしれませんが、 説明は付きませんが、成立しているつもりです。 誰かに頼まれお金をもらって作っている人間ではありません。 ただやりたいからやっている。 そういう環境ですから、どうしたって自分が作ったものに投影されているんですね。 自分そのものが伝わっていることは、 恥ずかいと同時に、とても嬉しいのです。 ありがとうございました。
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カフェ、お芝居、小説など、幅広い作品を手掛ける井川さん。みなさんは、どんな印象をお持ちでしょうか?井川さんの手掛ける作品については、このサイトでまた改めてご紹介しますね。
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