小説「レモンベーカリー」の発売日を10月13日に控え、印刷の工程が進行中です。小説のテキストデータが完成したあとは、書籍にするための印刷用データ(入稿データ)を作成し、文字校正を行います。それから、表紙のデザインを製作します。今回はレモン酵母をイメージした装画を採用しました。
前作「LESSISMORE」に続き、本作の装丁もatelier yamaguchiの山口桂子さんが手がけています。
表紙はカラーなので、パソコンの画面で見る色合いと、紙にインクで印刷する色合いとでどうしても差が生じてしまいます。表紙に使う紙のもともとの色味も影響します。
そこで、実際の紙に印刷した「色校」と呼ばれるチェック用の印刷物を取り寄せます。印刷してみたら想定していた色味と全然違う、ということにならないようにするためです。
今回のデザインは、淡く繊細なグラデーションの再現性に不安があり、やはり色校を見てみると、もう少し改善できそうだ、ということになりました。そこで入稿データを修正して、いよいよ本番の印刷にかかります。
こちらは、先日のイベントで公開されたサンプル。束見本と呼ばれる、実際の紙を実際のページ数で製本した白紙のメモ帳のようなもので、完成時の厚みを計ることができます。これを簡易的にプリントアウトした表紙で包んで、完成イメージを確かめます。
この段階から、井川さんのディレクションにより一部デザインが変更になっているので、完成版をお楽しみに。10月13日のイベントでは、みなさんにも製本の工程をお手伝いいただきます。
出版社から発売され、書店に並ぶような多くの小説は、執筆途中の作品を公開したり、作者自ら製作過程を語ったり、手作業による製本を読者がお手伝いしたりはしないでしょう。「マメ出版」だからこそ、こうした作り方ができますし、それらの過程も含めて作品としてお届けしたいのです。
さて、小説の完成まであと少し。発売日には製本イベントを開催しますので、ぜひご参加ください。イベントの詳細はこちらから。
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