ボクが使っているおひつは、箱根の桶屋さんが作ってくれたもので、
使い始めて22年を迎えます。
ちゃんとしたおひつは、何十年経ってもちゃんと使えるんですね。
使い方次第ではありますけど。
いかひこのメンバーで、みっちゃんという女性が、
「わたしも、おひつが欲しい」というので、
おひつを注文しようと箱根に向かったのです。
けれど、もうその桶屋さんは閉業してしまいました。
さすがに、おけやおひつを使わない生活ですから現代は。
当然といえば当然です。
それで、今回は、「樽富かまた」という秋田の樽屋さんに作ってもらうことにしたんです。
それで注文していたお櫃がやっと届きました。
ふつうのおひつはサワラですけど、注文していたおひつは秋田杉です。
たがも金属ではなくて、竹でできています。
なんとも美しい。
そうやってできたおひつは、何年も使い込むとよくなります。
えっ、おひつにうん万円もするの!?
ちょっと高すぎー。
おひつごときに、うん万円!?って思うかたも多いでしょうね。
だけど、高いスマホの機種変更にはみんな従うわけですよね。
おひつとスマホ。
どちらが高いのでしょうか。
何をもって高いと判断するのでしょうか。
似たような経験で、丁寧に作られた台湾烏龍茶の茶葉がそんなにするんですか!?
と言われたことがあります。
でも水のペットボトルには150円も払ってるわけでしょ。
要するに、チャリン、チャリンと小銭が出ていくのは無頓着なんでしょ。
だからそういう習性をいいことに、企業はあの手この手で、
チャリン、チャリンと小銭が出ていく仕組みづくりに躍起になってるわけです。
さて。
毎日の生活を豊かにしてくれたり、幸せにしてくれるものは、
手に馴染んだ身近な道具であったり、馴染んだ人間関係だと思うのです。
人間が両手で持てる量はさほど多くない。
だから、なにをそのふたつの小さな手で持つのか。
それがヒトの生き様を決めると思う。
ボクなら、ヒトの手がかかっているものを手に取ります。
ヒトの手のかかったものを口に運び、手に馴染む人間と手と手を取り合います。
両手に持てるほどの、馴染んだ道具、馴染んだ人間関係で生活すれば、
ストレスなんてほとんどないからです。
世界は変えられらませんね。
他人もなかなか変えられません。
だけど、両手になにを持つのか。
あなたが持ちたいものを持ちなさい、と、この国では法律で保証されています。
自分のその両手になにを持つのか。
スマホとおひつ。
あなたなら、両手に何を持ちますか?