たとえば、ボクが知らないどこかに呼ばれて、ペットボトルのお茶が出てくるとするわね。
良かれと思って向こうも出してるから、ああ、ありがとうございますって言いますよ。飲みませんけど。
ただ、ボクは日頃から、ペットボトルのお茶が嫌いだと身近なヒトには言ってます。コンビニのお菓子が嫌いだとしつこく言ってます。
すると、わたしも嫌いです、なんてヒトが結構いっぱいいて、あらそうなの、あらあら、ってなる。
ところが、普段は喜んで飲んでるよ、なんて笑っていうんだよね。
えっ?
会社や友達、ときには家族たちに合わせてね。
波風立てたくないのか、平気な顔して飲んでるよ、そりゃなんてボクに忖度してるのか、そう告白する。
ボク、それはね、不誠実だと思うのね。
喜んで飲んでる、フリをずっとしてるっていうのはさ。
気心知れてる関係で、好きでもないものを美味しいわってフリをする。
それはたまらなく不誠実という気がするのね。
もし、ボクが逆の立場でだな。
ボクが急須で淹れたお茶を、井川さんのお茶は美味しい美味しいと飲んでくれてる気心の知れた仲間がさ、ボクの知らないところで、
「お茶なんてもんはね、急須で淹れようが、ペットボトルだろう、まぁどっちもどっちよね、どうだ違うだろ、なんてヒトもいるけどフフ」って屈託なく笑いながら言ってたとしたら、そしてそれをボクが知ってしまったとしたら。
その悲しみは、言葉に出来ないほどだろうと思う。
ボクはどうでもいいところで神経症なんだな、きっと。
どうせそんなこと言ったって、やつらわかんないですもん。
ふーん、だとしても不誠実だ。