『ヒューマニズムの經濟學』 について⑦

【レプケが描く理想の社会】
• 所有の広範な分散
• 自律した中産階級の厚い層
• しっかりとした存在者、人間に拠り所を与える
• 家族に始まる真の共同体
• 競争と価格メカニズムへの対重
• しっかりとした根を持ち、生活の自然的基盤から引き剥がされていない個人
• 都市と農村、工業と農業との健全な関係

【経済政策】
○プロレタリアからブルジョアへ

レプケは、現代の社会危機の原因を取り除くため、
「脱マス化」と「脱プロレタリア化」を目指した。
現代は、ヨーロッパの伝統的文化遺産は次第に消尽し、
精神的、道徳的価値基盤が損なわれている。
それを復興するために、精神的・道徳的基盤を作らなければならない。
よって自律した中間層を作り、彼らが社会の核となって
「文化的ピラミッド」が形成されるべきなんだというんですね。

すなわち、経済的ならびに社会学的な意味での財産を
再びプロレタリアに所有させることを促進することを求めるんだと。

そのなかでとくに重視したのは、住宅政策。
労働者の持ち家の促進は、なにより自立性の基盤になると同時に、
家族という共同体の核が展開されるための基礎にもなるからだと。


○国土計画

大都市への集中を解消して地方への分散を推し進め、
新たな比較的小規模の中核都市を作ろう。

そして農業と工業のバランスの取れた配置を目指し、
それによって農村における共同体の展開の基礎を築く国土計画が必要だと説いた。

○弱者を守るため市場に干渉しろ

市場経済だけでは「必ず腐敗し、その腐敗毒素でもって社会の全体を害する」。
だから市場経済の自由に対し政府は干渉すべきと。
弱者が向上することで市場の新たな均衡が達成される。
だから弱者がいつまでも同じところに居続けないように、
市場の厳しさを緩和し、向上できる環境を整えるべきなんだと。

とりわけ、農業、手工業、小企業、労働者、職員といったとりわけ弱い層には、
そうした干渉による援助を行なう必要性が大きいと説いた。
ただし、干渉施策がとられるべきかは、そのときどきの状況によって細かく判断されなくてはならないよね。

○社会保障政策には消極的

社会保障政策は、マス化、プロレタリア化を根本的に克服しようとする道ではない。
むしろ国家への依存傾向をますます強めることになり、自律性が削がれてしまう。
それはむしろプロレタリア化を進めることになる。
もちろん「多数の根無し草問題」が存在していて、
「短期的な緩和政策」として、社会保証が必要であることは認めている。

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