ヨシノの歌詞とメロディ
僕にしても、エトワール★ヨシノにしても、ミュージシャンではない。ちょっと音楽を作ってやっているとミュージシャンと思われるけど、ミュージシャンではないよ。ミュージシャンというのは音楽を極めているスペシャリストのことだと思うんだよね。僕は今もって一切楽器が弾けない。もちろん音符もかけないし、読めもしない。そして、僕には、音楽は音楽、言葉は言葉という考え方がない。音を聴くとそれに言葉が出てきちゃうというのかな。音に言葉がくっついているというのかな、そういうところがある。だから、メロディと歌詞をほぼ同時に書いていく。そのあとに精査はするにしても、同時に頭からできていくと言う感じ。音楽と言葉を別個に作ったものをドッキングしたものが歌だと言う考え方がないんだ。
そして、曲はメロディーじゃなくて、仕上がりのイメージが大事。ヨシノの歌詞の世界観というのは自分の中にあって、ひとつは、全部、愛の歌にはしたいと思っている。こういう世界で歌いたいというのが最初にあって、それを説明するけど、共通言語をもたないミュージシャンには「え?」って言われちゃう。みんなでやってるわけだし、言葉を尽くして、伝わるまで説明し続ける。自分で楽譜が書けない分、メンバーに好きにやってもらうことがとても大事だと思っている。
今回のアルバムの「Nacham」は、とにかくジャンルが非常に多岐にわたっている。作為的にしたくないというか、なんか偶然こうなっちゃったというものが入ってないと嫌なんだけど、今回も「みんながそこに居合わせてなんとなく偶発的にできた」というものが出来ていて、すごく満足している。どこか未完成なものも残っているんだけど、これがエトワール★ヨシノのアルバムを作っていて楽しいところです。