北海道で豆づくり
ボクらは、この10年ほぼ欠かさず、北海道で豆まきをやってきました。
マメヒコというのは「豆」のお店です。豆というのは、珈琲豆にもかけているんだけど、日本古来の豆のこと。例えば、大豆、小豆、花豆などの。そういう豆を提供するカフェにしようとマメヒコを始める前に思ったのです。
いろんな料理をするヒトはたくさんいるけど、豆を一晩浸して戻すヒトはそんなにいないんじゃないかと思ったの。
それと、商売を始めるにあたって、長く続けることを目標にしていたから、一過性じゃない、古くからある、日常的なもの、という意味でも、豆がよいなと思った。形もきれいで美しいしね。
日本人は大豆を食べる習慣があるのに、今は、大豆自体は輸入に頼っている。そして価格の問題で作るヒトが少ないという現状がある。
日本のインゲンは手で支柱を立てて育てるんだけど、それがとてもいい昔ながらの風景なの。ボクらは、手作業でつくるインゲンの栽培を、商売になるかならないかは関係なく、ずっとやってきた。
畑をおこし、畝を切って、そのそばから畑に水が入っている状態の中で豆を手でまく。それを1ヘクタールやる。
そのあと除草するんだけど、除草剤は使わないから「ほう」という鎌の道具でやっていく。
ある程度の丈まで無事に育つことができたら、そのあと収穫、脱穀して、それを選ってお店で使う。手間と言えば手間。手間でしかない…ということをずっとやってました。
みんなでそういうものを、ちょっとずつ作って体験してみる。
すると、日本の農業の直面している問題、価格の問題、「これだけのことして、これだけなの…」ということを目の当たりにする。一方で、畑を通じて、普段のボクらが「幸せから遠ざかっていることもある」ってことが分かることがいっぱいある。
なので、北海道だけじゃなく、日本全国、いろんなところで、ボクらが10年間やってきた「豆を作る」ということを出来たらいいなと思っています。