最近シェアサロンというのがあってね。美容師さんが自分の店を持たないでみんなで借りてやる、お店を持たない、お店を貸すビジネスが流行ってる。
それとか、京都の祇園には、花街の仕組みがあってね。みんな、お店を持たない。コーディネートするお母さんと呼ばれる人がいて、お座敷があって、舞妓さんがいて、お母さんが仕出し屋さんに発注するという商売。
お店を持つということは、席という在庫を持って家賃を払ってるわけだから、固定費を席数で割れば、1つの席が一か月にどれくらい売上立てなきゃいけないのかわかるわけ。席が空いてるってことは無駄な在庫を持っているということ。
ボクは商売のコツは在庫を持たないことだと思うんだよね。そのために、席も持たない、お店を持たないというのは理に適っていて、祇園の商売は在庫のない商売をしてるのが肝なんだよね。ソフトの部分として、お母さん、舞妓さんがいて、今日のお客さんは若い子が多いからボリュームのあるものにとか、その日によって全部アレンジする。
そのソフトの部分をボクもやりたいと思ってるけど、そうもいかないからお店を持つことになる。そうすると空席(在庫)をもつことにもなるし、お店を作る時にかかった設備投資の返済も負担しなきゃいけない。それがカフェには大きいんだよね。
その返済部分と固定費をなんとか、この店を使うヒトたち、自分の場所だと思ってくれるヒトたちに負担してもらうというのが、メンバーシップカフェの月額1000円の意味合いなんだよね。
固定費を持つのは非常にリスキーだし、デメリットも大きくある。なるべくお店を持たないように、ソフトとハードの部分を切り分けて考えるのは経済合理性としても成り立っているなあ、って思うよね。
節税対策としてお店をやるヒトはソフトの部分まで意識が行かない。だって目的が節税だからね。だから、最近は中身をMAMEHICOにお願いしようというヒトが増えてるんだよね。
「お店を持たないお店」をどう作るかというのが今のMAMEHICOの実験の目的なのだよ。