「フリーランスになりたてなんです」って若いヒトが、
MAMEHICOをやってきたボクに興味を持ったらしく、
話しかけてきました。
「あの、
というようなことを聞かれました。
ボクはたしかに、どこかに属して働いたことがありません。
会社を興すまではひとりでやってきたし、
属したことあるのは自分の会社だけです。
けれど質問にちょっとびっくりして、言葉に詰まりました。
そもそも安定して稼ぎたいなら、
フリーランスなんかしなければいいのにと思いましたが、
余計なことです。
ボクは傍からどう思われてるか知りませんが、
安定などというのには無縁で、
稼いだお金は、お店を作ったときの
多額の借金返済に回ってしまってますので、
いつだって「やばい」状態で、
望まれてるような答えは言えません。
ただ知らん顔というのも悪いので、
「あんまり頑張らないほうがいいですよ」と言っときました。
ボクの経験でしか言えませんが、
あまり頑張ったところで、
もし仮に頑張ったとして結果が出なければ、
一喜一憂してしまうのが人間でしょう。
そうすれば自分が腐って長持ちしなくなる。
研いだ刀は、それだけすぐ切れなくなる。
それがボクの処世術なんです。
ここでも前にも書きましたが、
ボクが見習いたいのは「水」なんです。
できればあのようにゆらゆらと生きたい。
その場その時で形を変え、
ときに柔らかく、ときに固く、
自然と流れ着いた先で、なにも揉めごとなく、
穏やかに暮らしたい。
ただ、それだけなんです。
来月でボクも50歳になるので、
このまま、
MAMEHICOも再来年で20年です。
20年目には「あのヒトって、何してるのかまったく解らない」
を言われる存在でありたいのです(今も言われてるけど)。
そのときのMAMEHICOは、
「なんとなくこうしたほうがいんじゃないの?」
とみんなが力を併せて事を為す場所であってほしい。
そして、「ああ、自分たちの力でほんと良くなったねぇ」、
とみんなが自分たちを誇れるような、
とまあ、これは理想ですよ。
それができるようになるためには、
ボク自身、高い高い「徳」を積まなければならないようです。