福岡の糸島でMAMEHICOを始めることになりました。
9月21日の土曜日が開店日です。
いま目下、その準備で、福岡と東京を行き来しています。
糸島はひとことで言えば、美しい自然と豊かな文化が融合した魅力的な地域、ということになるでしょう。
ボクなりに、糸島の魅力を観光案内的に紹介してみよう。
糸島の海岸線には、美しい砂浜や奇岩が点在しています。
特に「サンセットビーチ」や「二見ヶ浦」の夫婦岩といったところが、観光スポットとして有名。
海に近いため新鮮な魚介類も手に入りやすく、地元のレストランや牡蠣小屋では、海の幸を堪能できます。
ほかにも地元の農協の市場に行けば、糸島豚や新鮮な野菜、みかんやいちごといった果物も豊富にあって、かつ安い。
また歴史的な神社や古墳もあちこちに点在していて、特に桜井神社の荘厳な神殿の姿は、歴史好きにも、満足してもらえる神社です。
さて。
ボクたちが店を構えるのは、糸島にある岐志漁港の近く。
岐志漁港は、牡蠣の養殖が盛んで、冬の風物詩として毎年11月から翌年3月にかけ牡蠣小屋が立ち並ぶ。
新鮮な牡蠣や魚介類を網焼きできる牡蠣小屋は観光客にとても人気です。
ほかにも、芥屋海水浴場で開催される音楽フェスティバル「サンセットライブ」。
二見ヶ浦で「Beach Café Sunset」を経営されている林憲治さんが、30年前、店の前の駐車場で野外イベントを実施したことが始まり。
スタート当初は500人程度だった来場者が、いまでは3日間で15,000人以上も訪れるそうです。
今回のMAMEHICOの出店は、糸島に拠点を置く雲孫財団のお声がけで始まった。
財団が管理している土地と建物を、MAMEHICOとして自由に使ってくださいという経緯で始まったMAMEHICO・糸島。
誘われるままに、ボクが糸島を訪れたのは、わずか一年ほど前のことです。
まだそのときボクは、糸島を「島」だと思っていて、のちに調べると糸島は人口10万人の「市」で島ではないことを知りました。
岐志漁港周辺は牡蠣シーズンの冬なら人気だけど、二見ヶ浦あたりの、糸島ブームと呼ばれる光景は見られない。
落ち着いた、小さな漁港という風情で、「最初はここでカフェをやっても誰が来んの?」と疑心暗鬼だった。
それでも、せっかく誘われたのだから、とにかく足繁く糸島に通って、地元に縁あるヒトに会ってみようと思った。
この街の空気がわからないと、なにも創れないという気がした。
早速、小さなツテを頼りに、色んなヒトに会って話して聞くを繰り返してみた。
すると。
縁がいくつもできた、それもとっても不思議な。
糸島の縁の連鎖は、ボクがいままで経験したことのない感覚で、なにかスピリチュアルなものさえ感じてるんです。
お・み・ち・び・き。
たとえば、その一人が糸島で大工の棟梁をしている加賀田憲治さん。
加賀田さんは、初対面のボクに、糸島の森に生える杉について熱く語ってくれた。
森を守るためにも、糸島に生えている杉は積極的に使いたいと。
しかし、現実はなかなかうまくいかないことも多いと。
それで、ボクは加賀田さんとすっかり打ち解けて(加賀田さんは年齢差を感じさせないチャーミングなヒト)、今年の二月、店内の梁として使う丸太の杉を新月伐採した。
糸島の持つ魅力というのは、観光スポットの数ではないなと改めて思っている。
ヒトの魅力というのも手垢のついた言葉だけれど、ひとまずやってみようの精神は、ボクたちと親和性が高い。
福岡に通うようになってMAMEHICOの持つ魅力はなんだろうかと考える。
珈琲やデザートの美味しさ?
それだけでなく、店に集まるスタッフやお客さんの持つ目に見えない力、そこに魅力を感じてもらえたらいいなと近頃は思っているのです。