アウレリウスの自省録

ストイックという言葉は、日本では、自分を犠牲にしてでも練習に打ち込むとか、自分の夢に向かって脇目もふらず邁進するというニュアンスがあるね。でも、このストイックというのは古代ギリシャのストア派からきてるということで、このストア派的だよねというのが、本来のストイックという意味なわけ。

自分がいつもご機嫌でいられるためにはどうしたらいいか? それには、他人にあまり関わらず、自分と他人の問題を切り分ける。それがストア派の目指すところ。

自分の中にある欲望をコントロールした方がご機嫌でいられるよ、ということからストイックという言葉になった。自分の思い通りにならないと嫌だというヒトだと、どうしても感情をコントロール出来ない。そうすると、いろんな問題が噴出して、結果的には自分がご機嫌でいられない。ご機嫌でいるためにはストイックでいるということ。

古代ローマの皇帝だったアウレリウスというヒトがいるんだけど、このヒトが、自分の困難な経験から常に自分がご機嫌でいられるためにはどうしたらいいかをメモに残した。これが「アウレリウスの自省録」という本になっている。これによれば、人間というのはどう生きていったらご機嫌になれるのかが書かれている。

アウレリウスが常に気にしたのは、自分には何ができて、何が出来ないのかを区別しろということ。

例えば、自分の内閣の組閣の人事は変えられるとしても、どこかの国が攻めてくることについては考えてもどうにも出来ない。ということになれば、他者に寛容になれということ。

自分にできることと、出来ないことを識別できれば、いろんなことが対処できる。そして、自分に起きた困難は自分の成長の糧にするんだと決めろということ。

困難も一つの成長の機会なんだとして生きようと決めるのか、もはやこれまでと電車に飛び込むのか。どんなことがあっても前を向いて生きていこうと思うヒトは世の中の希望になるし、ボクは希望を与える側にいつもいたいなと思います。

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