「手を入れる」について

ヒトの評価ほど当てにならないものはないです。
誰からもよく思われたい、そんなことってできないですから。

MAMEHICOに居るボクは、
どっこいマルチ商法には詳しいんですよ、フフフ。

そもそも。
マルチ商法っていうのはですね。
商品を買うだけじゃなく、その商品を他のヒトにも売ることをすすめられる。

例えば、10万円の化粧品セットを買う。
すると、その化粧品を他のヒトに10万円で売ることができる。
それからは売るたびに2万円の報酬がもらえる。
さらに、あなたが売ったヒトも、
同じように他のヒトに化粧品を売ることがすすめられ、
そうやって孫を増やしていくと、
最初のヒトはものすごく儲かるっていう仕組みね。
理屈では。

だけど、このマルチ。
どんどん買うヒトを増やしていかないと稼げない。
そんなもの、売れる相手を見つけるほど難しいものはない。

懐かしい昔の友達から、突然、電話がかかってきて、
「久しぶりだから会おうか」って喫茶店で会ったら、
いきなり「この商品なんだけど」みたいな話になったって話あるじゃない?
その喫茶店が渋谷では、MAMEHICOだったみたいなことが多くてね。
MAMEHICOは静かで、健全そうな喫茶店だから、
マルチにはもってこいと、渋谷警察署が言ってた。笑

ボクたちからみたら、マルチの話をしてるテーブルはすぐわかる。
「あっ、あそこはマルチね」ってみんなでヒソヒソ話してる。

別にマルチ的な売り方が、必ずしも悪いわけではないし、
渋谷では堂々、マルチでやって
大きなビルになってるところもあるわけだしね。笑

ただ、一見お金を稼げるように見えて、飛びつくけど、
実際には多くのヒトが損をするようになってる。
それは競馬でも、宝くじでもおんなじ。

ボクはこういうやり方が好きじゃないから、
自分ではやろうと思わない。
自慢じゃないけど、「井川さんがやったら売れそう」って、
その筋のヒトに何回も言われたことあるし、
「勉強会だけでいいから出てくれませんか」
って、懇願されて行ったこともある。

みんな一生懸命やってるわけだし、
騙した方が悪いとか、騙される方が悪いとか、
そんな善悪つける気はないんだけど。
人間てのは、どうしてこうも合理的じゃないのかなって思う。

マルチのヒトは論理的に矛盾せず、様々な説明をするわけだけど、
論理的に矛盾しない説明っていうのは、
矛盾する部分は目を瞑ってるだけなんだって、
どうしてわからないのかなって思う。

騙されたヒトにも泣きつかれたことがあって、
こんな証拠も、あんな証拠も抑えた、だから約束は守られるべきだ、
なんて言っても、それは自分が安心したいからに過ぎなくて、
百戦錬磨の相手は「あっそ、だからなんですか」と、
とぼけちゃえば、法律だろうが手を打ちようがないってのがほとんど。
あくまで気が済むまで手続きを進めるってだけで、
勉強にはなるけど、万事解決したなんてことはない。
解決したと思いこむだけのこと。

自分の劣等感から、お金を得たい、騙されたって話が多いからね。
マルチ商法より、マルチ体験をして、
自分を信じられるとか、好きでいられるっていうことのほうが、
結果として、お金は得られるとボクは思うけどね。

「おまえはケシカラン」
えっ、そこですかぁ?っていうポイントで。笑
でもね。
ここからがボクのすごいとこなんですが、ボクの一番の理解者はボクなんで、何言われても平気ってところがある。

他人がどう思おうが、知ったこっちゃない。
ボクはボクを、かなり良いと思っているし、それをボクのことをあまり知らないよそものが、どうのこうのと、そんなこと知ったこっちゃないよと。

気にしたところで、それはボクの及ばぬところにあるわけです。
せいぜい「小言で言ってね、邪魔はしないでね」ってなものです。

MAMEHICOはね、とても素晴らしいカフェだと思いますよ。
地味だけど、尖ってるところは尖ってるし、過激なところは過激だし。
瞬間風速で比較したら、うちよりすごいカフェはいっぱいあると思う。
だけど、思いとか熱量を維持できてるのは自画自賛ですけど、すごいなと思います。

いろんなものがコンビニ的になってますね。
便利、均質、上質、格安。笑
外国人がたくさん日本に来てますけど、日本のそういうとこって、みんなすごいと思いますよね。

だからといって、ボクはそっちには振れない。
だって気持ちが乗らないから。
仕事だし、生き残るためにやることやらないとな、って気持ちは、もちろんあります。
だけど、だから、自分が嫌なことはしないように、ストレスがたまらないようにしておきたいなと。
長く頑張るために、好きじゃないことはできるだけ力を抜いて、めんどくさいヒトとは、なるべく距離取って。

ボクはアンティークが好きなんです。
古いもの。長く手入れしたものが好き。
この前も丹波篠山で、すっごく古い建物を手入れした、素敵なお店に出会ったんです。

少しずつ少しずつ手を入れ続けていて、それが感じ取られる。
自分の店も少しずつ手を入れたい、だから続けないと意味がない。

渋谷の店は全部閉めてしまったからね。
なんと儚いことよのぅって思ったりします。
スタッフだってお客さんだって、ビュンビュン入れ替わるのがカフェだし。
家賃払ってスタッフ雇って、それでも長く続けるのは大変ですけど、だから、じっくりと好きなことだけやりたいと思う。
われ関せず、わが道を行く。

福岡の糸島には、ボクよりも先輩で、自分の手足を動かしてるヒトがいます。
いいなって思う。
そういうヒトたち、世間では一風変わったヒトって見られてるけど、ボクはそういうヒトたちのほうがまともに見えます。

ある年齢を過ぎて、それこそ80近くになっても、まだまだやりたいことがあんのよっていうヒトたちはみな、他人のことなんて気にしてないです。
そうやって、自分の中の過激さを保ってる、自分だけが最後は頼りなんだとわかってる。

MAMEHICO糸島、11月にひとまずオープンしますが、始めてからも、どんどこ手を入れたいなと思ってます。

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