ありのままに活かす

この間、桐生の紫香邸で、雨の中、庭の改造をしてきたんだけどね。

ボクは、いかにも人工的な庭というのは、あんまり良いと思わない。

花にしても、フラワーアレンジメントと、花を生けるのとでは全くの別物。花も自然の一部で、花が持っていた自然の一部という精神を生かさないとダメじゃない?

庭もなるべく自然な感じにしたいなと思う。

自然な感じといっても、何にも手を入れなくて、草ボーボーだと落ち着かないし、リラックス出来ないし。雑草対策として、全部コンクリートにすれば草が生えないけど、それじゃ味気ないから、芝生にしようとすると、芝の管理をしないと難しい。

日本人の心には、人間も自然の一部であるとか、一輪挿しに生けてある花も自然の一部であるとかという思想が根底にあって、そういうのを天人合一というんだよ。

目先のことに一喜一憂しないで、繰り返しのアウフヘーベンを待つ余裕が必要じゃない?という考え方が天人合一の考え方の中にもあるよなと思っていてね。

全ては宇宙の一部という考え方がこの中にもあって、宇宙は「軌道」ということだとボクは理解している。

太陽を中心に惑星は軌道を描いているので、必ず繰り返す。その繰り返しの中でアウフヘーベンが起きて、いろんなものが変わっていく。人間もその一部で、悲しみも喜びも必ず来る。枯れ木でも必ず芽吹く、それが希望であるということ。

一方で、どんなに花が満開でも軌道を回っている以上、気温は下がり、花は落ち、実をつけ種を残して次ということで、これは諸行無常だよね。

諸行無常という考え方を持って、生きる。

自分も他人も一緒で、分け隔てない、自分は波の一つ、波動なんだという考え方が東洋思想にあって、それに対して、自分の権利、個というものがそれぞれにあって、他人とは別々、粒々なんだという考え方もある。

哲学的に言うと、地球は太陽の周りを回っている事実からは逃れられなくて、西洋だろうが東洋だろうが必ず輪廻転生はあるわけで、そういうことを庭を作っていても思ったりするね。

論理的にやってもわからない。先行き不透明な時代だからこそ、何か違う価値観が支えにならないとみんな不安になっちゃうのかもしれないね。

Archive
カテゴリー