日々是はてな?

マメヒコを始めたとき。2005年ですから、いまから14年ほど前のこと。

当時、はやっていたカフェは、「オレの部屋に飯食いに来ない?」、みたいな空気感があり苦手でした。毛糸の帽子にちょろヒゲのあんちゃんが、カウンターの中で焼きうどんを炒めてる。

お客はコロナを飲みながら、ソファで焼きうどんを食べる。

ファミレスがダサいと感じる時代感で、退廃的な感じのファミレスが求められていたのかも知れません。深夜まで食事を出し、アルコールも珈琲も扱うことで客単価を上げる。

ビジネスとしてはうまくいきそうなものですが、どうしてか、最近そういうお店は減りました。

当時のボクは、そういうカフェが嫌いでした。食事したあとのテーブルは、脂っぽくギトついていたし、なんか不潔だなと思っていたんです。

ひょんなことからカフェを始めることになって、ボクはどんなカフェをやりたいかなと思ったとき、図書館がやりたいと思いました。

どんなのがやりたいかなと一考したとき、ニューヨークの市立図書館が浮かびました。あぁいうカフェがやれたらなと。ボクは海外旅行に行くと図書館とスーパーには必ず行くんですが、それらを見れば、その国が大事にしているものがよくわかるんです。

マメヒコの店内を長テーブルにしたのも、ソファーを置かなかったのも、焼きうどんを用意しなかったのも、お酒を置かなかったのも、木の椅子にしたのも、図書館的な空気を演出するためにそうしたのでした。

おととし作った胡桃堂喫茶店も基本的にはそういうパブリックな感じにしています。

開店してから10年が経ち。震災や渋谷の再開発を経験しました。マメヒコも例外なくそれらに翻弄され、ボクもふたつの店を閉店させました。(パブリックだかなんだかしらねーけどよぉ、売れなきゃ店は続けらんねーよ)、という自分ツッコミもずいぶんしました。

街が変わるのは不可抗力ですから。売上が下がるのはボクラのせいじゃないと思ってました。抗えない力の前で反省するほど馬鹿馬鹿しいことはありません。値段を下げて集客しようとか、そんなことしても疲れるだけです。

それで、よし、店内でお芝居をやったり、音楽会をやったり、映画を撮ったり、そういう???と一見無駄に思えることをやって、それでたくさんの出会いをしよう。

出会いを通じて、お店を続けていく道を模索しよう、そういう選択をしたんです。

パブリックなお店にしたいという当初の思いと、自分が旗振り役になってイベントを打ち出すカフェというのは、相反した思想にも思えますから、ジレンマがあるんです。

数年前からマメヒコとイベントは距離を取るようにして、イカハゲという秘密倶楽部主宰で活動するようにしました。

そこでボクは小説を書いたり、女装リサイタルをやったりしてるわけです。

イカハゲは、積極的にオープンな活動をしているつもりですが、その場のノリでプロジェクトが決まることが多いので、いつやっているのか、どこでやっているのかを告知できず、また趣旨、意義、目的がそもそも曖昧なので、はてな?倶楽部と勘違いされてしまうのです。

あしたから北海道で、ハタケマメヒコ’19が始まります。

北海道で無農薬で豆を栽培するハタケマメヒコを始めて10年になります。いまではここで採れた黒豆、小豆、かぼちゃを自分たちで使うことが成立しています。

カッコウが鳴いたので豆を蒔くのです。今年は千歳から離れて、月形町でお豆やかぼちゃを作ります。秋になり、収穫された黒大豆や小豆、かぼちゃは、マメヒコのデザートの食材になります。けれど、それを栽培したり、支えてくれているのは、マメヒコのスタッフではないんですね。なんだかよくわからない秘密倶楽部?イカハゲのメンバーなのです。

そして来週末は、「ゲーテ先生の音楽会 先生、ニューヨークで歌う」があります。

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こちらも、もともとマメヒコの宇田川町店でやっていた、年末の宴会芸みたいなものですが、 今回は銀座のライブハウスで開催します。これも主体はイカハゲのメンバーです。

 

日々是はてな?です。

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